立ち方のチェック
すべての動きの基本となる立ち方を見る
立ち方の基本となるのは、まずは踵部と母指球・母指、小指球・小指の3領域にバランスよく荷重して立てることです。さらに肩の力が抜け、おへその下あたり(臍下丹田)に力が集約している(重心が下がって、どっしりと地に足がついている)状態が作れることです。この状態を上虚下実と呼んでいます。逆に肩に力が入り、足腰がふらふらして力が入らない(重心が上がって、浮足立っている状態)を下虚上実と呼んでいます。動きケア®では、上虚下実の状態がスポーツ障害予防、パフォーマンス向上にとって極めて重要であると考えています。
上虚下実と下虚上実
まず、基本的な立ち方の見方を確認してみましょう。立ち方チャック項目をご覧ください。ポイントとなるのが、(3)股関節の緩みと(4)膝の緩みです。股関節と膝がつっぱって伸び切っておらず、緩んだ(少し曲がったようにみえる)状態です。股関節や膝を意識的に曲げようとすることではないので、〝緩む〞という表現を使っています。股関節と膝関節を緩めるとおへその下(重心位置)は下がります。股関節と膝関節が伸び切ってしまうと重心位置は上がります。つまり、股関節と膝関節が伸び切ってしまうと上虚下実の状態がとれなくなり、浮足立ってしまうわけです。このように股関節と膝の緩みをチェックすることは上虚下実の状態を判断するためにも重要になります。
次のポイントは(5)足裏荷重のバランスです。踵荷重(後ろ重心)が大きすぎると足指が浮いているかもしれません。母指・母指球荷重と小指・小指球側荷重のバランスが偏っていると母指・母指球側、小指・小指球側のいずれかが床から離れている場合があります。ぜひ、チェックしてみてください
立ち方の姿勢チェック
イスに座って姿勢チェック
出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
【書誌情報】
『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
土屋真人
スポーツと姿勢は重要な関係にあり、姿勢が歪んでしまうと筋肉・柔軟性・可動域・バランスなどに影響を及ぼします。姿勢はちょっとしたことでも狂ってしまいますが、その修正方法を多くの選手は知りません。本書は姿勢を改善することでパフォーマンスをアップさせるとともに、ケガの予防にも役立つために、なぜ不調や痛みが生じるのか、どこの姿勢が狂っているのが原因なのかをわかりやすく解説し、その改善方法やトレーニングについてイラストと写真でビジュアル的に紹介します。人によって不調が生じる部分は様々です。首、肩。胸郭部、背中、腰、股関節、足、などの各部位ごとに必要な柔軟性をチェックし、不調の整え方、効果的なトレーニング、改善方法を、トレーナーを指導する体育協会理事長の著者が徹底解説する初めての一冊になります。
公開日:2024.07.23