徳島ガンバロウズが山口パッツファイブに勝利!連敗を止めた会心の試合後、ヘッドコーチ・選手インタビュー
11月2日、「アスティとくしま」で行われたB3リーグ 第6節 GAME1 徳島ガンバロウズvs山口パッツファイブ戦。ケガ人が続出しここまで5連敗中だった徳島ガンバロウズが連敗を止める逆転劇を見せた。試合後のコメントを紹介する。
デマーカス・ベリーHC
選手たち一人ひとりがやるべきことをしっかりやってくれて、この結果につながったと思います。何よりも選手がゲームプランをしっかり遂行できたということが大きいです。また5連敗というなかでチームの状況としては沈み気味だったのですが、それにもかかわらず、しっかりと自信を持ってこの試合に臨めたというのが大きかったのかなと思います。
――今日の勝因はなんでしょうか
なによりもディフェンスがよかったと思っています。もちろんまだトランジションディフェンスオフェンスリバウンドの面で、序盤苦しんでいた場面もありましたが、ただ試合を通してしっかりとディフェンスをやることができたと思っています。特に第3Q、ディフェンスが逆転につなげることができた要因だと思っていて、特にエヴァン・マックスウェル選手がしっかりと期待に応えてくれたというのが大きかったです。前半4得点だったにもかかわらず後半18得点記録したことが大きく、第3Qの逆転につながる起爆剤になってくれたと思っています。
――クリストファー・オリビエ選手、エヴァン・マックスウェル選手の外国籍選手2人が出場しましたが、インサイドの噛み合いという点はいかがだったでしょうか。
噛み合いという点ではすごくよかったと思います。その理由として、今週の練習を通して同時出場した場合の、二人のポジションスイッチの練習を重ねてきました。以前まだちぐはぐだった際、どっちがどのポジションかということがそこまで明確でなくエヴァン・マックスウェル選手が5番センター、クリストファー・オリビエ選手が4番パワーフォワードという位置取りでしたが、今週から逆にしたことでもっとオフェンスが機能したと考えています。クリストファー・オリビエ選手がセンターとして、コートの中心、トップオブザキーの辺りからオフェンスを仕掛けること、エヴァン・マックスウェル選手がパワーフォワードとして、もっと外側でスクリーンをセットしたりとか、ウイングの選手のためにスクリーンセットをすることで他の選手も活きたんじゃないかと思っています。
――前半に比べ後半でオフェンス面で効果の違いがあったように思います。ハーフタイム間で何か指示を出したり、戦術面での変更があったのでしょうか。
ハーフタイムに具体的な戦術的な話をして、映像を見せました。前半やられ気味だった、相手が速攻を仕掛けたとき、しっかりとしたトランジションディフェンスで戻ることを徹底しようと話したことと、オフェンスでセットを仕掛けるとき、もっと目的を持ってアクションをしようと選手たちに伝えました。クリストファー・オリビエ選手を中心にオフェンスを仕掛けるよう指示を出しました。
塚本雄貴選手
――キャプテンから見て、今日の試合なにが一番よかったと思いますか。
メンタリティですね。これ以外、なにものでもないと思います。
――落ち込み気味だった5連敗から、どういったことから気持ちを立て直したのでしょうか。
5連敗してなにが起きてたのかというと、自分たちを見失ってしまっていたのではないかと思っていて、そのなかで今週とてもよい準備をすることができました。それは練習からも伝わってきましたし、こういう厳しいなかでみんなが同じ方向を向いてやれたというのがいい形になったと思います。
――クリストファー・オリビエ選手とエヴァン・マックスウェル選手のポジションを逆にしたという話を(デマーカス・ベリーHCから)伺いました。そこの連携はいかがだったでしょうか。
そうですね。最初はいい形で入っていて、やってきたことはできたのかなと思います。ただワンインポート、外国籍の選手がひとりになった時間帯にどうするか、ということが一番、今後アジャストしないといけないことだと思います。ただオフェンスが悪いなかでもディフェンスができてたと思いますし、そこは明日の試合(GAME2)でも課題になると思います。
――(ケドリック・ストックマン・ジュニア選手がケガで離脱しているなか)ガード陣の、相手のガード陣とのマッチアップが重要になってくると思います。そこに関してはいかがでしょうか。
特には意識してないです。相手がどうこうというより、自分の持てるものをしっかり出すということにフォーカスしています。ただ間違いなくケドリック・ストックマン・ジュニア選手が出場していないということは相手も意識していますので、相手からのプレッシャーが前半よりも後半強くなっていたので、結果ターンオーバーを4つしてしまいましたが、そこが明日の試合、もっとメンタル的にタフに求められる点だと思いますので、もっとやっていかなきゃな、という風に感じています。
――コート上で他の選手に指示を出されていましたが。
一番は自分たちが準備してきたプランを絶えず確認しながらやっていました。あとは何ができていないのか、ということを確認したりコミュニケーションをとるということをチームとしては徹底しています。最後のボール運びの点でターンオーバーが続いてしまったので、そこの改善について話し合うことが今日は多かったです。
――塚本雄貴選手がオフコートの際、相手に押され気味に感じました。不在の際にはどんな決めごとがあったのでしょうか。
アディリ・クエルバン選手の本当の役割は指示出しではなく、シュートを打つことなのですが、今週その役割が変わって指示を飛ばさなきゃいけない、ということになって、本人も不安はあったと思います。もっと連携が取れれば変わってくると思いますが、そんななかでシュートも打ち切ってましたし、ナチュラルではないポジションでステップアップしてくれました。きちんと持ち味を出すことが大事だと考えていますので、全体的によかったと思います。
クリストファー・オリビエ選手
――先ほどデマーカス・ベリーHCからクリストファー・オリビエ選手とエヴァン・マックスウェル選手のポジションをスイッチしたと伺いました。そのあたりの噛み合いはいかがでしたでしょうか。
ポジションをアジャストしたことで、自分にとってはアタックするスペースが生まれたと感じています。それによって自分の行くべき位置につきやすくなって、全体的にもフロアにスペースが生まれたんじゃないかと思います。
――今週の練習から手応えがあったようですが。
本当に激しい練習が、今週行われました。一人ひとりがなんとか連敗から脱出しようという思い、そして本来の徳島ガンバロウズのバスケができるような形を作ろうという思いで練習しました。
――明日の試合への課題はなんでしょう。
今日はスリーポイントの精度がよくなかったので、そのあたりの修正が必要です。また淡白に終わってしまった内容の薄いポゼッションも多々あったので、そこを少なくすること。この二つができれば、明日はしっかりと戦えるんじゃないかと思っています。
――後半、クリストファー・オリビエ選手を中心にオフェンスを組み立てるよう指示が出たと聞いています。自分が攻撃の起点になるということについては、どのように感じていますか。
試合を通じて相手ディフェンスは自分にかなり集まってきていて、必ず複数人がついている状況でした。そんななかでも自分にボールがきたときには我慢強く攻めたり、ときにはパスを出したりといった判断をしっかりするよう指示が出ていて、そこもしっかりとはまったんじゃないかと思っています。
エヴァン・マックスウェル選手
――試合後のヒーローインタビューの際、デマーカス・ベリーHCがエヴァン・マックスウェル選手が成長を見せてくれたと言っていました。ご自身はどのように感じていますか。
本来でしたら、このぐらいの活躍(22得点、10リバウンド)は最初からできていないといけないと思っています。ただ慣れるのに時間がかかったということと、離脱者がいるなかでバリエーションや組み合わせが変わり、なかなかチームメイトとの噛み合わせの精度が高くならず、調子が上がってきませんでした。ただすべてがしっかりと噛み合えば、このぐらいの活躍はできると思うので、今後はこれが普段のことになるように願っています。
――エヴァン・マックスウェル選手が慣れるきっかけが練習中にあったのでしょうか。
今週の練習というよりは、今日の試合のハーフタイムが自分にとってのきっかけになりました。前半なかなか結果が出せず、もどかしさを感じていたんですが、日本のバスケに慣れるという話をしたなかで、以前ヨーロッパでプレーしていたときとなにが違うかを考えました。ヨーロッパでは外国籍の選手だったとしても、外国籍の選手自体が多いので、チームのなかで中心人物にならないことが多いのですが、日本の場合、オンコートにいる外国籍の選手は2人で、中心選手にならなければいけない状況があります。得点に対しての責任感が生じるので、ハーフタイムになんとか考え方を変えて、意識を変えるんだと自分に言い聞かせて後半に臨みました。後半は結果が出せたので、今後はこういう意識の置き方を継続できればと思っていて、プレーの復調のきっかけになればと思っています。
――後半、徳島ガンバロウズの得点が増えるなかで、山口パッツファイブのディフェンスが激しくファウルが増えていきました。ケガ人が多いチーム事情でなにか気をつけることはあったでしょうか
後半になって相手がフィジカルになり、またケガ人が増えるのではないかと思えたかもしれませんが、チームが5連敗しているなかで選手からすると「やるべきことをやる」「出し切れるとこまで出し切る」ということしか考えていませんでした。こちらも相手に対してよりフィジカルになって戦っていました。
写真・徳島ガンバロウズ提供
公開日:2024.11.08