見たいものしか見えなくなる!? 確証バイアスの正体とは【眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス】


先入観が否定の情報を遠ざける理由|確証バイアス
多くの人が陥る認知バイアス
自分の意見や考えに合う情報ばかり見て、それに合わない情報は見ない……という状態になったことはありませんか? これは「確証バイアス」といって、現実を客観的に捉えられなくなる認知バイアスの1つです。
たとえば、自分がリニア中央新幹線の建設に反対の考えを持っている場合、工事にともなうトラブルなどネガティブなニュースばかり見て、開通後を見据えた街づくりの情報などは読み飛ばしてしまったりします。そして、反対意見ばかり目にした結果、「大半の人はリニア中央新幹線の建設に反対している」と思ってしまうことにも。こうして先入観によって、物事を客観的に見られなくなってしまうのです。
この確証バイアスに関しては、イギリスの心理学者ピーター・ウェイソンの「4枚カード問題」が有名です。詳細は次のページの下部を参照していただきたいのですが、大学生を対象とした研究でも正答が1割程度しかなく、ほとんどの人が確証バイアスのかかった誤答を選んでしまうことが示されています。いかに確証バイアスが身近なものかよくわかると思います。
つまり、なんとなく先入観で物事を見ているとき、そこには確証バイアスが存在している可能性が高いわけです。普段から確証バイアスをつねに疑っておいたほうがよいでしょう。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 認知バイアス』
監修:高橋 昌一郎
「認知バイアス」は物事の判断が、偏見や先入観、歪んだ情報・データ、個人的経験則・記憶、思い込みなどによって、非合理的になる心理現象。社会学(社会心理学)や経済学(経済行動学)、論理学、認知科学など幅広いジャンルで研究されている。
本書では、数ある「認知バイアス」から、「確証バイアス」「正常性バイアス」「同調性バイアス」「希少性バイアス」をはじめ「ハロー効果」「ダニング=クルーガー効果」「プロスペクト理論」「スリーパー効果」など、読者の関心や興味が強いと考えられるもの、身近で陥りやすい危険の高いもの、知っていると生活にも役立つものを中心に厳選して、図解でわかりやすく伝える。
フェイクニュースや詐欺的行為や犯罪が蔓延し、AI技術の向上などによって、「何が正しいか」わかりにくくなった現代の世の中で、賢く生きていくためには必須の知識!
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