「できる」と「わかる」の境界線。算数と数学の違いとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

算数と数学の違いについて

「できる」だけではなく「わかる」ことが重要

小学校の算数では最初、たし算、ひき算、かけ算、わり算を学びます。このとき「計算さえできればいい」と誤った算数に対する考え方が保護者の問で広まったことがありました。確かに計算力は必要ですが、「1個300円のりんごを2個買いました。いくらですか?」という文章題を300×2=600 として、式を作って答えを出すだけの学問ではありません。

たし算には「合わせる、加える」、ひき算には「取る、差」、かけ算は「1つあたりの量×いくつ分」、わり算には「等分除、包含除」という意昧があります。高学年では「1つあたりの量」から平均、人口密度、速さ、割合、比といった、日常生活で使われている重要な項目を学びます。

「速さ÷道のり=時間」といった公式が出てきますが、暗記するだけが算数でないことは、言うまでもありません。低学年の算数では具体的な量や図を見ながらの学びでしたが、高学年になると「1つあたりの量」という抽象度が少し上がる考え方が主流になってきます。式を立てて答えを出すだけの勉強をさせられていたら、算数や数学は面白くありません。

「なぜなの?」という疑問をもち、原理しくみを理解し、その後「できる」ようにするのが算数の一番の目的ともいえます。このとき、算用数字を使って算数を考えることに注目してください。

中学や高校で学ぶ数学とはどこが違うのでしょうか。まず一番目立つ違いは「文字と式」の登場です。これによって複雑そうに見える文章やできごとをアルファベットの文字と算用数字で簡潔な「文字式」で表すことが可能になります。数学は文字を活用することによって、多くの現象をシンプルに表現できる、抽象度が高い思考を必要とする学問なのです。

つるかめ算を今度は連立方程式で解いてみましょう。

<問題>
63円切手と84円切手を合わせて12枚買い1000円札を出したらおつりが76円ありました。それぞれ何枚ずつ買いましたか?

く解説>
63円切手をx枚、 84円切手をy枚とすると、長い文章を下記のようなシンプルな文字を使った連立方程式に表すことができます。

この連立方程式を解くと x = 4、y = 8
63円切手4枚、84円切手8枚ということがわかります。

算数と数学の違いについて

文字を活用することで数学という学問は飛躍的に発展しました。複雑な現象を限られた文字で表現することによって1次方程式、 2次方程式、関数、三角関数、微分積分、確率、統計という学問が身近なものになりました!

【POINT】
物事を論理的に考え、そして発想力が長けている人になるための基本を習得するのが「算数」であり、その方法論を習得するのが「数学」なのかもしれません。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』監修:小宮山 博仁

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』
監修:小宮山 博仁


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