100年以上愛される「テディベア」、その名の由来とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】

テディベアの誕生とアメリカ大統領の関係

テディベアの名は大統領から生まれた

 今や、世界中で親しまれているテディベア。その名前の背景には、ひとりのアメリカ大統領の優しさが深く関わっています。

 物語の主役は、第26代アメリカ大統領セオドア・ルーズベルト(愛称:テディ)。彼はミシシッピ州で狩猟旅行をしていた際に、案内人から「弱らせて木に縛ったアメリカクロクマを撃ってはどうか」と提案されます。そのクマは、すでに意識がなく動けない状態でした。しかし、ルーズベルトは「これはスポーツマンのすることではない」として、提案を拒否しました。

 この出来事は翌日、『ワシントン・ポスト』に風刺漫画として掲載され、全米で話題に。これを見て心を動かされたのが、ニューヨークで菓子店を営むモリス・ミットムです。彼はルーズベルトの行動を称え、小さなクマのぬいぐるみをつくると「テディズ・ベア(テディのクマ)」と名づけて店頭に飾りました。その際、ぬいぐるみに「テディ」という名前を使ってよいか大統領本人に手紙で尋ねたところ、快く承諾してもらえたようです。

 こうして誕生した「テディベア」はたちまち人気を集め、モリスはのちにおもちゃ会社を設立します。すると、テディベアはアメリカから世界中へとその名を広めていき、クマのぬいぐるみの代名詞となりました。

テディベアの誕生ストーリー

1902年11月、アメリカのルーズベルト大統領がクマの射殺を拒否。その様子は『ワシントン・ポスト』に掲載され、話題を呼びました。この記事を見た菓子店が、クマのぬいぐるみをつくり、ルーズベルトの愛称を取って「テディズ・ベア」と名づけたことがテディベア誕生のきっかけになりました。

テディベアの雑学いろいろ

実はドイツでもほぼ同時期に誕生

シュタイフ社がモヘヤでできたクマのぬいぐるみ「55PB」を考案。

ギネス世界記録

メキシコに全長20m、重さ4tを超える超巨大テディベアがある。

真っ黒いタイタニックベア

1912年のタイタニック号の悲劇を癒やすために、シュタイフ社は真っ黒の限定テディベアを作製。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司


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