戦場で薬になった? 2021年に誕生石の仲間入りした宝石「ブラッドストーン」【宝石・ジュエリー図鑑】

写真:Shutterstock
英語名:Bloodstone
日本語名:血石(石英)
主な産地:インド、ロシア、オーストラリアなど
モース硬度:7
誕生石:3月
石言葉:勇気、献身

血から生まれた石……?

暗い緑色のベースに血(ブラッド)が飛び散ったような模様があることから、この名になったといいます。

ゴルゴダの丘で十字架にはりつけられたキリストの血が、足元にあった石に染み込んでできたという有名な言い伝えがあり、キリスト教ともかかわりが深い石といえます。

赤い色の部分は、血がふくまれているわけではなく、酸化鉄などの不純物の色です。

血を止める薬にしていた?

クオーツ(石英)という鉱物の小さな粒の集まりであるカルセドニーに、血のような模様が入ったものが、「ブラットストーン」とよばれています。

ギリシャ語の「太陽」という意味の言葉が由来の「ヘリオトロープ(太陽に向かう)」という別名もあります。

古代エジプトでは、ブラットストーンを粉にしてはちみつと混ぜたものを血を止める薬として使っていたといいます。戦いの場で、兵士たちがおまもりとして、ブラッドストーンを身につけていたともいわれています。

昔から特別な力が宿るものとしてさまざまな場面で神聖なものとされてきた様子がうかがえる石です。

2021年に、アイオライトとともに新しく日本の3月の誕生石のなかま入りをしました。

【出典】『宝石・ジュエリー図鑑』監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩

【書誌情報】
『宝石・ジュエリー図鑑』
監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩


【Amazonで購入する】

キラキラまばゆい輝きと、無限のカラーバリエーション。地球がつくりだすキセキの一粒。もしかしたら大人も知らない、宝石のひみつがわかる本です。

美しい宝石写真、かわいいイラスト、「ねえ、これ知ってる?」とすぐに話したくなるおはなし。
宝石誕生のひみつ、輝きや色のひみつ、宝石にまつわる歴史、文化、伝説をわかりやすく楽しく解説します。

昼はエメラルド(緑)、夜はルビー(赤)に変わる「アレキサンドライト」
世界は「サファイア」の上にあると信じられていた?
クレオパトラに愛された宝石「エメラルド」
宇宙からやってくることもある!「ペリドット」
「アメシスト」を熱すると「シトリン」に変身
じつはなかま「ルビー」と「サファイア」 など

12か月の誕生石はもちろん、お気に入りがきっと見つかる色別の宝石図鑑。
人と宝石のお付き合いや、原石から宝飾品になるまでの流れがわかる、ジュエリー図鑑。
さらに地球の活動と宝石の関係や、宝石・ジュエリーにかかわるお仕事まで紹介します。

この記事のCategory

インフォテキストが入ります