恋バナも丸聞こえ! 昭和の固定電話は「家庭の公開スペース」だった【眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話】

固定電話は家庭の共有財産 通話にプライバシーはなかった

家族みんなで1台の電話を使った

昭和50年代(1970年~)に入ると、固定電話が一家に1台置かれるようになっていき、それはまさに家族の共有財産でした。基本は居間や玄関に置かれ、通話の内容は丸聞こえなんてこともありました。親に恋人との会話を聞かれることも珍しくなく、通話時には常に共有ゆえの緊張感がつきまとっていたのです。

この頃、一般的に使われていたのはダイヤル式の電話機で、「黒電話」と呼ばれていました。コンセントをつないで電気を通すのではなく、電話回線を通じて電力が供給されるため、停電時でも使うことができます。また、重厚な見た目の通り、非常に頑丈で壊れにくいつくりになっていました。

そして固定電話以外だと、駅や店先などにある公衆電話も連絡を取るためのいち手段でした。初期は市内通話であれば、10円玉を入れれば時間無制限で話すことができ、誰もが手軽に利用しやすい状態にありました。友人同士が公衆電話を通じて延々と語り合う光景は日常的で、順番待ちの列もよく見られたといいます。

とはいえ、長時間に及んで公衆電話を占領する人への苦情も増加していました。そこで、昭和45年(1970年)1月30日、市内通話料金は3分で10円へ切り替えられることに。現在にもつながる時間制料金が導入されました。

家族共有だった昭和の電話

固定電話を家族全員で共有していたため、電話をかけて本人が出るとは限らず、ほかの家族に取り次いでもらうことがよくありました。

10円で話し放題から3分課金へ

公衆電話は10円を投入すれば時間制限なく通話でき、長蛇の列ができることも。
やがて、昭和45年(1970年)に10円で3分の通話へ変更されました。

10円で時間無制限通話

10円で3分通話

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』監修:町田 忍

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』
監修:町田 忍


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