短足がバレるだけ? 昭和の謎ルール「座高測定」は何のためにあった?【眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話】

短足がバレるだけ? 何のためかわからない座高測定

毎年あった座高測定のナゾ

身体測定といえば、身長・体重のほかに「座高」を測るのがかつては定番でした。専用の台に腰かけ、座面から頭頂部までの高さを測られる―しかし、子どもたちにとっては「足が短いか長いかを判定される」くらいの意味しかなく、数値が何の役に立つのかは不明でした。

そもそも座高測定は、昭和12年(1937年)に学校健康診断の検査項目に加えられ、全国的な実施がはじまりました。重要な臓器が上半身に集中していることから、当時、胴長は健康であるとされていたようです。また一説には、戦前の徴兵検査に利用され、体格を分析する意図があったとされています。とはいえ、その数値が実際に教育や健康管理に活かされることはほとんどありませんでした。

子どもたちの実感としては「短足」「胴長」とからかいの材料になるだけで、測定されること自体が小さな恥ずかしさや笑いの種でした。教師からも特別な説明はなく、なぜ測るのかがわからないまま毎年繰り返されていたのです。

こうした座高測定は「必要性に欠ける」と判断され、平成28年(2016年)より全国的に廃止されました。現在では身長や体重、視力、聴力といったデータに重点が置かれ、より実用的な測定がなされています。座高測定は、昭和的な学校文化の象徴といえるでしょう。


当たり前に行われていた座高測定

学校で行われる健康診断では、身長・体重と並んで座高測定が検査項目のひとつでした。専用の台に腰かけて、座面から頭頂部まで、つまり上半身の長さを測りました。

座高測定はいつからはじまった?

座高測定は昭和12年(1937年)にはじまり、目的がはっきりしないまま、長年にわたって実施され続けていました。

昭和12年(1937年)

学校身体検査規定が改定され、座高測定が全国的に実施されるように。重要な臓器が上半身に集中していることから、胴長は健康であるとされた

平成28年(2016年)

実用性が低いとして、全国的に廃止された

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』監修:町田 忍

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』
監修:町田 忍


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「短足がバレるだけ 何のためにやるかわからない座高測定」
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