2日目のカレーはおいしい! でもあたため過ぎると逆効果なワケ【図解 料理の話/鳥羽周作】

〈鳥羽流〉素材のおいしさが最大限引き立つ料理の時間術「カレーやシチュー、おでんは翌日に煮込みすぎない」
火を入れる“止めどころ”が翌日を決める
カレーやシチューを、2、3日分まとめてつくる人は多いのではないでしょうか。そして「煮込むほどにおいしくなる」と考えて、つい強火で煮込みすぎてしまうことがあります。しかし日を分けて食べるなら、過度な加熱は逆効果です。野菜や肉が崩れて形を失い、味わいまで濁ってしまいます。もし2日目に再加熱して食べる場合は、煮込み直さず、温め直す程度にとどめるほうがよい仕上がりにつながります。電子レンジで軽く温めましょう。
煮込み料理は「長く煮ればおいしい」と捉えられがちですが、それはあくまで最初の火入れに限られます。2日目以降に食べる分は、初回で火が通り、冷めていく過程で味が完成します。にもかかわらず、さらに火入れすると、整っていたバランスが崩れてしまうのです。
2日目のカレーが評価されるのは、煮込み時間の長さではなく、冷めていく間に素材とルウがなじむからだと言えます。おでんも同様で、炊いてから冷ます過程で味が染み込んでいくため、再加熱は弱火で十分です。
料理には必ず、止めどころがあります。どこで火を止め、おいしい状態を保つかを見極め、2日目はあえて煮込まない勇気を持つこと。それが2日目のカレーやシチュー、おでんを最高のごちそうへと導く秘訣です。
翌日は「煮込み直し」ではなく「温め直し」に
✗ 煮込み直し

強火で再加熱すると、野菜や肉が崩れて味も濁る。
〇温め直し

弱火で温め直すか、電子レンジで軽く温めると形も味も安定した状態を保てる。
翌日のカレーやシチューを煮込み直すのは逆効果。煮込みすぎると野菜や肉が崩れて、味も濁ってしまう。そのため、電子レンジで軽く温め直すくらいにとどめておく。
冷める時間が2日目のおいしさをつくる

2日目のカレーやシチューがおいしいのは、冷める間に素材とルウがなじんでいくから。長く煮込んだ結果というわけではない。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話』著:鳥羽周作
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話』
著:鳥羽周作
シリーズ累計300万部突破!『眠れなくなるほど面白い図解シリーズ』に料理ジャンルが初登場!
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