今の飛ばしはバックスピンをかけすぎないのが合理的
最近では「飛ばしは道具でカバーする」という意見が多く出回っています。そこで今回からは飛距離を伸ばすためのギアに関して、ドライバーを中心に説明したいと思います。
まずゴルフボールですが、19世紀前半まではディンプルのない牛革に鵞が鳥ちょうの羽を詰めた「フェザーリーボール」と呼ばれるものが使われていました。そのことから、この時代のゴルフゲームにはスピンという概念はなかったということがわかります。
やがて、19世紀後半のゴム製ボールの登場に伴い、表面についた傷をもとにスピン効果が発見され、より多くのスピンを引き出すためにディンプル付きのボールが開発されました。それ以降、ゴルフ道具の進化は常に「いかに多くのスピンをボールに与えるか」という課題と一緒に歩んできたのです。
スピン量が少なめで打ち出し角が高めの球が飛ぶ
しかし、2000年あたりを境にテクノロジーの進化によって「ボールにスピンがかかりすぎてしまう」という現象が発生するようになったのです。スピンが必要以上にかかると、打ち出されたボールがバックスピンによる揚力によって高く舞い上がってしまい、落ちてからのランがなくなり飛距離が伸びなくなってしまいます。
また、アイアンショットでもスピンがかかりすぎると、ボールの強烈なバックスピンが、ボールを落ちた場所からかなり離れたところに移動させてしまうため、打つ距離の決定を難しくしてしまいます。
近年ではスピンかかりすぎはよくないということで、「打ち出し角度をある程度高くして適切なスピンしかボールには与えない」という時代になりました。
【書誌情報】
『自己最速のヘッドスピードを叩き出すスイングの最終法則 筑波大学博士の飛ばし最強の教科書』
著者:/安藤秀 (筑波大学博士)
ゴルフでドライバーショットの飛距離が出る人たちの共通点は「ヘッドスピードが速い」ということ。そのため、ヘッドスピードを上げようと力にまかせてクラブを振っても、ヘッドスピードは思うようには上がらないことは多くのゴルファーが実感していることでしょう。 その理由は、ヘッドスピードの上げ方が間違っているということ。筋力や腕力がヘッドスピードを上げる決め手ではないのです。 この本では、ヘッドスピードを上げる重要な4つのポイントを明かします。具体的には、ダウンスイングの体の回転のタメ、ダウンスイングの腕の動きのタメ、フォロースルーのコック動作、フィニッシュの体幹部の逆ネジレのこと。 これらのポイントを写真を使いわかりやすく解説。さらに、ヘッドスピードのアップにつながる即効ドリルも数多く紹介。つらい筋力トレーニングではなく、ヘッドスピードを上げる4ポイントが身につく、クラブを使った練習法が数多く載っています。
公開日:2021.02.21