女性は悩みや苦しみを人と共有するのが上手
人はストレスを感じると「チャレンジ反応」か「思いやり反応」を示します。特に女性は「思いやり反応」でストレスを解消する人が目立ちます。
「思いやり反応」は、人との結びつきによって困難や危機を脱しようとするもの。そこにはストレスを感じると分泌される、オキシトシンというホルモンが関わっています。このホルモンには「人とつながり合いたい」という気持ちを高める作用があるので、悩みや不満を家族や友人に話すことで、ストレスを乗り越えようとします。
もともと女性は感情を言語化するのが得意です。さらに、心の内を人に聞いてもらうことにも抵抗がないので「思いやり反応」でストレスに対処することが多いのでしょう。
「誰かとつながりたい」という気持ちは、人を助けたり、新たな恋をしたりといった、周囲の人への思いやりや愛情というかたちでも表れます。災害で被災した人たちがお互いを労いたわり、助け合う行動をとることも「思いやり反応」のひとつです。
「チャレンジ反応」と同じように「思いやり反応」も、ストレスがポジティブな思考や行動を生みます。ここからわかるのは、ストレスは決してネガティブなものではないということ。対処の仕方、考え方ひとつで「前向きな変化のきっかけになる」ということです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
著:ゆうき ゆう
「ストレス社会」といわれている現在、
科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、
ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。
ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。
特に最近では、新型コロナウイルスの影響で
これまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。
それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、
不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…
また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、
放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。
近年20~30代に多く見られる「過敏性腸症候群」はそのひとつで、
病院に行って検査をしても異常がみつからないのに、
日々便秘や下痢などの腹痛に悩まされる病気です。
早いうちに対処しなければ、
毎日腹痛におびえながら生活しなければならないという
新たなストレスが加わって悪循環に。
本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。
そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、
たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、
メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2021.08.30