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ロシアとフランスが決勝進出!ブラジル、アルゼンチンは3位決定戦に【男子バレー/東京オリンピック】

東京五輪 バレー男子準決勝のレポート

ロシアとフランスがそれぞれ決勝進出を決める!

東京五輪バレーボール男子は準決勝が行われ、ロシアとフランスそれぞれ勝って決勝戦進出を決めました。敗れたブラジルとアルゼンチンは3位決定戦に回ります。


準決勝結果

ブラジル vs ロシア 1 : 3
(25-18, 21-25, 24-26, 23-25)

準決勝第1試合は、リオ五輪準決勝の再戦となりましたが、ロシアがブラジルへのリベンジを成功させる形となりました。第1セットはレアルとウォレスを中心に攻め、サーブ&ブロックでブレイクの機会を多く得たブラジルが終始リードして危なげなく先取します。第2セットは逆にロシアがしつこいブロックでブラジルアタッカー陣の得点を許さず、ミハイロフとクリウカで得点を重ねてこのセットを奪い返します。

試合が大きく動いたのは第3セットでした。今度は再びブラジルのサーブとブロックが機能して序盤から先行すると、セッター・ブルーノが多彩な攻撃でロシアブロッカーを寄せ付けず一時は20-12と8点差がついていました。その後、代わって入ったロシアのOHポドレスニクのスパイクなどで点差を縮めますが、ブラジルも粘って23-20とします。ロシアの追い上げもここまでかというところでポドレスニクのサーブがブラジルレシーバー陣を襲い、5連続ブレイクで24-23と逆転に成功。ブラジルもデュースに持ち込みますがその勢いのままロシアが逃げ切って26-24で第4セットを取ります。

第4セットはブラジルとロシアが1, 2点差を追ったり追われたりの競った展開が続きます。そんななかでもロシアの窮地を救たったのがこの日両チーム最多22得点だったエースミハイロフ。21-20とブラジルにリードの場面でハイセットをサイドラインギリギリに決めて流れを引き寄せると、相手のスパイクミスにも助けられて逆転に成功。最後はクリウカのライトスパイクがブラジルコートに刺さって25-23とし、このセットを取り切ったロシアがブラジルに3-1で勝利しました。


ロシアの決勝進出は金メダルを取った2012年ロンドン五輪以来2大会ぶり。ブラジルは2004年のアテネ五輪から4大会続けて五輪の決勝戦を戦ってきましたが、ついにその記録にストップがかかる結果となりました。なにか新しい時代の幕開けを感じさせる試合となりましたね。18年保ち続けているブラジルの世界ランキング1位の座も危ういところに来ているのかもしれません。

フランス vs アルゼンチン 3 : 0
(25-22, 25-19, 25-22)

続く準決勝第2試合はフランス対アルゼンチン。予選ではフルセットでアルゼンチンが勝利していましたが次はどう転ぶかわからない内容だったため、この試合も長くなることが予想されましたが、蓋を開けてみるとフランスがアルゼンチンを寄せ付けずにストレート勝利を収める結果となりました。

フランスはスタートからセッターをキャプテンのトニウッティではなく、準々決勝勝利の立役者となったブリザールを起用。一方のアルゼンチンはいつものメンバーでした。第1セットこそ両者一歩も譲らない展開で、お互いミドルを絡めつつ、パトリィとリマの両オポジットを中心に得点を重ねます。しかし、21-21の場面でリリーフサーバーで入ったフランスのルアティがサービスエースを決めると、そこから更に連続ブレイクを決めて23-21とします。そして最後にはパラシオスのスパイクをチネニエーゼがシャットアウトして25-22でフランスが1セット目を先取します。

続く第2セットもフランスが止まりませんでした。序盤にルゴフのサーブからのカウンターアタックをヌガペトが立て続けに決めて6-3とリードを広げます。アルゼンチンもアウトサイドヒッターをパラシオスから守備のいいポグライエンに代え、中盤にはミドルブロッカーのソレに代えてラモスを投入するなどして流れを変えに図りますが、パトリィ、ヌガペト、クレブノのサイド3人の高い決定力を前になかなかブレイクを奪うことができず、25-19でこのセットもフランスが取ります。

第3セット。あとがないアルゼンチンは一発からソレのブロックがクレブノをシャットしていい出だしを切りますが、その後スパイクミスやサーブミスが続いてまたも序盤から6-2とフランスにリードを許してしまいます。アルゼンチンは中盤またもソレのブロックなどで15-15と追いつきますが、あと一本が出ず逆にソレのクイックがフランスのチネニエーゼのブロックに捕まってフランスに勢いを取り戻させてしまいます。このようにこの試合のフランスは非常に「ノって」いました。スパイクはハイセットでも面白いように決まるし、あと一歩で追いつかれるという場面でもポジティブな雰囲気は変わらずうまく切り抜けられていましたし、オポジットのパトリィをはじめサイド陣のハイセットでの決定力が高く、サーブレシーブが乱れてもあわてませんでした。

一方のアルゼンチンは要所でのミスが多く、せっかく引き寄せたかけた流れを自分たちで潰してしまうという場面が多々見られました。疲れが見られたのか今大会で一番元気がなかったように思います。そのような感じで一度「ノッた」フランスを止められなかったアルゼンチン。最後もリマがチネニエーゼのこの日4本目のブロックに捕まって第3セット25-22、セットカウント3-0でフランスがアルゼンチンに勝利し、見事決勝進出を果たしました。


フランス代表は史上初めてオリンピック決勝の舞台にコマを進めます。ロラン・ティリ監督の9年間の集大成は何色のメダルとなるのでしょうか。また敗れたアルゼンチンは3位決定戦に回り、1988年のソウルオリンピック以来23年ぶりの銅メダルを目指します。


決勝、3位決定戦の予定

8月5日(木)

3位決定戦 13:30 アルゼンチンvsブラジル

決勝戦 21:15 フランスvsロシア

3位決定戦は南米対決。予選ではブラジルがフルセットでアルゼンチンに勝っていますが、メダルに向けてブラジルは更にギアを上げてくることでしょう。それに対してアルゼンチンが準々決勝までの力を取り戻してベストパフォーマンスを出しきれるかがキーとなるでしょう。

決勝戦はフランス対ロシア。こちらも予選ではフランスがロシアをストレートで下していますが、決勝ではどうなるかわかりません。どちらのチームにも勢いがあります。ただ両者のバレースタイルは大きく異なります。堅いディフェンスをベースに緻密なバレーを展開するフランスに対し、高さとパワーのサーブ&ブロックで押していくロシア。本当にどんな決勝戦になるのかこれから楽しみです!

文責:堤敏樹(https://www.toshiki71.com/tokyosemifinal/)

写真提供:FIVB

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