「デカい筋肉=強い」は間違い? 見た目とパワーで鍛え方が全く違うワケ【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

筋肥大と筋力増強は、同じトレーニングでは最大化されない

筋肥大は損傷と再生、筋力増強は脳と筋肉の連携がカギ

 筋トレには、大きく分けて「筋肥大」と「筋力増強」というふたつの目的があります。

筋肥大 = 筋線維を太くして、筋肉を大きくすること。見た目に表れる筋肉の大きさ。
筋力増強 = 筋肉が力を発揮する能力を高めること。筋肉のもつパワーをアップする。

 筋肉は、細長い筋線維が何千本も集まって束となってできています。トレーニングなどの刺激で線維の一部が傷つくと、筋肉の修復や成長を助けるサテライト細胞が活性化して増殖し、損傷部位を修復して再生します。この修復のときに筋線維が少しずつ太くなり、損傷と再生をくり返すことで筋肥大が起こります。細胞の修復は、筋タンパク質の合成によって行われるため、筋肥大には代謝やタンパク質摂取が重要なポイントになります。また、太くなった筋線維は以前よりも傷つきにくく、負荷にも徐々に慣れてしまうことから、少しずつ強度を高めながら総負荷量(筋ボリューム)を増やしていき、筋肉の伸長性を意識しながらトレーニングを行い、筋肉を大きくしていきます。

 一方、筋肉が発揮できる力は、おおむね筋肉の大きさ(断面積)に比例しますが、筋力増強は、実際に筋肉が大きくなる前に「神経系の適応」によって始まります神経系の適応とは、脳と筋肉の連携が強まり、多くの筋線維を同時に働かせることができるようになる現象で、脳から筋肉へと走る運動神経、脊髄神経の活性化がポイントとなります。

 神経系の適応は筋トレを始めて2週間程度で表れますが、筋肥大は最短でも4週間、目に見える変化は12週間の期間を要し、時間軸でも大きな差がありますそのため、筋肥大と筋力増強では鍛え方も異なり、筋肥大のためのトレーニングをしても筋力は大きくなりませんし、その逆もしかりで、自分が望む効果を引き出すには、目的に合ったトレーニングを行うことが必要です。

【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男

【書誌情報】
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