筋トレ上級者にも伝えたい!筋肥大にもっとも効果的な筋トレのセット数とは!?【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

筋肥大の効率は、週20セット前後でピークに達する

筋肥大にもっとも効果的な筋トレの強度とは?

 筋肥大を引き起こす筋トレの強度やセット数は、それぞれどのくらいで行うのが適切なのか。 まずは強 度について、 もっとも効率的な強度を研究した代表的なデータが、2017年にニューヨーク市立大学から発表されたメタ分析です。21の研究をもとに、低強度のトレーニングと高強度のトレーニング、セット数や回数など、1週間あたりの総負荷量を統一することで筋肥大率にどのような影響を与えるのかの分析が行われ、低強度でも高強度でも、トレーニングの総量を統一すれば筋肥大率には有意差はない、という結論が導き出されました。これ以降もさまざまな研究が、筋肥大目的のトレーニングには強度ではなく総負荷量を重視すべきことを明らかにしています。

 また、2022年には同じニューヨーク市立大学から、筋力トレーニングの負荷を上げるには重量と回数、どちらを変えるとより筋肥大が起こりやすいのかという研究が発表されました。筋トレ経験1年以上の被験者に、バックスクワットやレッグエクステンションなどの脚を中心にしたエクササイズを週2回行ってもらい、1セット8〜12回を維持しながら「重量(強度)を変えていくグループ」と最初の重量を維持しながら1セットあたりの反復回数を変える「回数を変えていくグループ」に分け、重量と回数、どちらを変えたほうが筋量は増えるのかを調査したもので、結果は、わずかながら回数を増やしたほうが直近の筋肥大率が高くなっていました

 この差は非常に小さいものですが、8週間という短い期間を考えると、回数を増やしたほうがメリットがあることが明らかになったのです。つまり、筋トレ上級者で強度を上げることが難しくなっている人は、回数を増やすことで筋肥大が起きやすくなるというわけです。筋トレ経験が長くなればなるほど、神経適応による変化は見られにくくなり、筋トレ強度も変化しにくくなります。初心者や中級者は1週間単位で重量を上げることが可能なので、回数を変更する必要はありませんが、筋トレ経験が1年以上ある上級者は簡単に重量を増やすことができないため、回数を追加して負荷量を上げるようにしましょう。

筋肥大にもっとも効果的な筋トレのセット数とは?

 最適なセット数に関しては、2017年に西スコットランド大学から発表されたメタ分析があります。1987年から2016年までに報告があった6962件もの観察研究から信頼性が高い9つの研究を抽出し、週にどの程度のセットをこなすことがもっとも筋肥大を引き起こしやすいかを分析したものです。

 1週間に「5セット未満」と「5〜9セット」「10セット以上」のセット数を行う3つのグループで調査が行われた結果、全体を通して筋肥大率はトレーニング経験のレベル・内容には関係なく、セット数をこなせばこなすほど上昇する、という結論となりました。

 ただし、もっとも筋肥大率の伸びがいい、つまりトレーニングの効率がいい週のセット数があり、それが初心者から中級者では週に10セットでした。筋肥大を目的にしている場合、例えば大胸筋と上腕二頭筋を大きくしたいなら、それぞれを最低でも10セットはトレーニングする必要があるということです。ただし、この研究はあくまでも筋トレ経験が1年未満の筋トレ初級・中級者に限定されたものであり、筋トレ経験が1年以上の上級者では最適なセット数も変わってきます。

 上級者にとって、もっとも効率よく筋肥大を起こすことができるセット数を導き出したのが、翌年2018年にイギリスのバーミンガム大学から発表された研究です。筋トレ上級者を対象に行われたこの研究では、対象者を1週間に「9セット行うAグループ」「18セット行うBグループ」「27セット行うCグループ」に分けて上腕二頭筋のトレーニングを行い、筋肥大率の違いを調査しました。全グループに上腕二頭筋の筋肥大が確認されたものの、AグループとCグループは週に18セット行ったBグループと比較して筋力の伸び率が鈍化していました。そのことから、筋トレ上級者に関しては、1週間のセット数をだいたい20セットにすることによってもっとも効率よく筋肥大が起こることがわかりました。つまり、筋トレ歴1年未満の初級〜中級者は1週間の総セット数を10セット以上、筋トレ歴1年以上の上級者では1週間の総セット数を20セットにすることで最速最短で筋肥大できるというわけです。

【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男

【書誌情報】
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