一見きれいな乳歯に潜む「歯並びリスク」とは?【歯並びをよくする離乳食・幼児食】

一見きれいな乳歯の歯並びに注意

乳歯が生えそろった3歳頃、すき間なくきれいに並んだお子さんの歯を見て「よし、うちの子の歯並びは問題ない!」と安心していませんか? だとしたら、ホッとするのはまだ早いかもしれません。乳歯の段階では、むしろ歯と歯の間に適度なすき間があったほうがいいからです。

歯の種類にもよりますが、永久歯は乳歯の1.5倍ほどの大きさのものが生えてきます。乳歯の段階でぴったりとギュウギュウに歯が生えていると、永久歯が生えてくるスペースを確保できなくなってしまう可能性があります。

歯並びをチェックし、「ちょっと不安だな」と思ったら、意識しておうちでケアしましょう。特に大事なのは「前歯でしっかりかじり取り、奥歯でしっかり噛む」こと。あごや口のまわりの筋肉を鍛え、正しい成長を促すためのトレーニングです。そのためにも、食材を小さく切りすぎたり、やわらかくしすぎたりするのは避けましょう。

3歳ぐらいであれば、くし形に切ったりんごやのりを巻いたおにぎりなどもおすすめです。子どもも喜んで食べてくれることでしょう。さらに、20〜30回ほどよく噛むこと。奥歯の歯根膜(歯の根っこのまわりの膜)を活性化させるとともに唾液の分泌にもつながり、消化を助けてくれます。

ちなみに、前歯でしっかりかじり取れているかは、前歯の形をチェック。歯が生えてから1年以上経っても上部がギザギザしている場合は、きちんと使えていない可能性が高いでしょう。

乳歯はきれいに並んでいる? すき間がある?

乳歯がすき間がなくぴったり生えているなら、ちょっと気にしたいところ。永久歯が生えてくるスペースが必要になるため、乳歯の段階ではすき間があるほうがいいのです。次の点を気にしてみましょう。

「すきっ歯」である
 上下の前歯の間をはじめ、全体的に隣の歯との間が空いている。
「横ずれ」がない
 真ん中の前歯の間が上下でそろっており、顔の中心とも一致している。
「受け口」でない
 すべての上の歯が、下の歯よりも外側に出ている(下の歯が上の歯より内側に生えている)。
噛み合わせの深さが適切
 下の前歯を上の前歯が1/3くらいおおっている。

乳歯の生え方と名称

乳歯の生える時期や順番には個人差がありますが、目安は以下の通りです。なんとなくでも覚えておくと、お子さんのお口の状態にも気づきやすくなるでしょう。

生える順番と歯の名前

1.下の乳中切歯(生後7カ月頃)
2.上の乳中切歯(生後9カ月頃)
3.上の乳側切歯(生後11カ月頃)
4.下の乳側切歯(1歳頃)
5.下の第一乳臼歯(1歳5カ月頃)
6.上の乳犬歯(1歳6カ月頃)
7.下の犬歯(1歳7カ月頃)
8.上の第一乳臼歯(1歳4カ月頃)
9.下の第二乳臼歯(2歳3カ月頃)
10.上の第二乳臼歯(2歳5カ月頃)

    【出典】『歯並びをよくする離乳食・幼児食』著:杉原麻美/藤原朋未

    【書誌情報】
    『歯並びをよくする離乳食・幼児食』
    著:杉原麻美/藤原朋未

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