歯並びと呼吸に影響大! 子どもの「舌の正しい位置」を育てる食べ方のコツ【歯並びをよくする離乳食・幼児食】


正しい舌の位置を身につける
口内の健康を保つうえで重要な役割を担うもののひとつが「舌」。ただ、しっかりと役目を果たすには、正しい位置に舌があることが大前提です。
舌の正しい位置とは、口を閉じたときに舌全体がせりあがるようにして上あごについており、舌先が前歯より少し後ろのスポットポジションに触れている状態。それにより舌の力が適切に歯列に加わり、歯並びを自然に整える効果や、鼻呼吸の促進、健全なあごの発達など、さまざまなメリットが期待できます。
ですが最近は、舌が全体的に下がり、舌先が前歯の裏についているような「低位舌」の子どもが増えています。低位舌かどうかは、舌の形をチェック。低位舌は舌が下あごの歯列を押すため、舌の縁が歯列の形にギザギザになっています。
子どもを低位舌にさせないために、授乳では乳首を口の奥まで深くくわえさせ、唇をしっかりつけたまま吸わせましょう。それによって赤ちゃんは、口全体の力を使えます。離乳食を与えるときは、正面から水平にスプーンを入れること。こうすると、赤ちゃんは自分の口でアムッと食べ物をつかみ取れます。その食べ物は舌の動きで口の奥へ送られ、舌と上あごで潰され、さらに奥へ送られ、ゴックンと飲み込まれるのです。
正しく食べることで、舌の力は自然に鍛えられていきます。なお、水分を与えるときはコップで。ストローは舌をほとんど使わなくても飲めてしまうので、避けるようにしましょう。
正しい舌の位置

舌の位置が下がる「低位舌」は歯並びの悪さや口呼吸につながり、そのことが歯列不正や口呼吸を引き起こす原因に。常に舌先が上あごのスポットポジションに当たるよう、意識しましょう。
離乳食の与え方も大事

離乳食を与えるときは、スプーンを正面から口に入れて、水平に引き出すようにします。自分で上唇を下ろして食べ物を口でつかみ取ることによって、唇の力を養います。
そして、低位舌を防ぐポイントとしては、スプーンを口の奥まで入れすぎないこと。赤ちゃんが自分の舌の動きで食べ物を口の奥まで運び、飲み込むことが大切です。
【出典】『歯並びをよくする離乳食・幼児食』著:杉原麻美/藤原朋未
【書誌情報】
『歯並びをよくする離乳食・幼児食』
著:杉原麻美/藤原朋未
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