光で虹色に変身!? 安定して入手するのが困難な「スフェーン」とは?【宝石・ジュエリー図鑑】

写真:BIZOUX
英語名:Sphene
日本語名:-(チタン石・くさび石)
主な産地:タンザニア、ロシア、カナダ、パキスタン、マダガスカルなど
モース硬度:5-5.5
石言葉:純粋、永久不変
誕生石:7月

光に当てると虹色に輝く

褐色、黄色、緑色とカラーが豊富にあります。さらに、光に当てると、カラフルな虹色に輝きます。これは、石を通りぬけた光が虹のように分かれる「ファイア」という現象(光の分散)です。

ファイアはダイヤモンドなどほかの宝石でも見られる現象です。スフェーンはダイヤモンドよりも光の分散がはっきりとあらわれるため、より虹色に輝いて見えます。


安定して仕入れるのがむずかしい貴重な宝石

チタンをふくむため、チタン石ともよばれます。宝石としてはスフェーン、鉱物としてはチタン石とよび分けることが多いようです。

高品質なスフェーンは安定的に仕入れるのがむずかしい貴重な宝石。

世界中から宝石商などが集まる大きな宝石展でも、「次はいつ会えるかわからない」といわれています。

スフェーンがとれる産地のうち、もっとも有名なのはロシア・ウラル鉱山です。


インクルージョンが多くても美しくきらめく

スフェーンは結晶内にインクルージョン(小さなほかの鉱物や液体や気体など)が多くふくまれる傾向にあります。

透明な宝石にインクルージョンが多いと美しく見えないことがあります。スフェーンの場合はダイヤモンド以上の分散度と複屈折、高い屈折率により、インクルージョンが多くても、美しいきらめきを楽しむことができます。

複屈折はダブリング効果ともいわれています。たとえば文字が書かれた本を開いてその上に複屈折がはっきり見られる石を板状にして置き、ある方向からのぞくと、文字が二重に見えます(二重に見えない方向もあります)。

カラーチェンジスフェーン

写真:BIZOUX

当たる光の種類によって、色が変わって見えるものをカラーチェンジストーンといいます。スフェーンのなかにもカラーチェンジするものがあります。


話したくなるネタ「人に注目される力をもつ石?」

豪華なきらめきをもつスフェーンを身につけていると、内面から輝かせてくれ、周囲から注目されるようになるといわれています。

また、周囲からほめられることで、その言葉に見合う人間になろうとして、持ち主の向上心が高まる効果があるとも考えられています。

【出典】『宝石・ジュエリー図鑑』監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩

【書誌情報】
『宝石・ジュエリー図鑑』
監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩


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