将来、自分で考えて動ける子に。“マインドフルネス×寝かしつけ”で伸びる、集中力と発想力

新刊『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』特別インタビュー
前回の記事では、お父さんお母さんにとってのマイドフルネスの効果をお伝えしました。もちろん、子どもにとってもメリットはいっぱい! 感情のコントロールができるようになる、集中力が上がる、創造性が高まるなどなど……。子どもの可能性を大きく広げるマインドフルネスについて、それを寝かしつけに取り入れた新刊『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』監修を手がけた臨床発達心理士・山口創先生に聞きました!(全3回連載のうち2回目)
取材・文:細井 秀美
感情のコントロールが上手になって人間関係が良好に。ストレスも減り、いいことだらけの理由とは?
マインドフルネスは大人だけでなく、子どもにも同じように効果があります。
たとえば、「ストレスを感じにくくなるとともに、感情のコントロールが上手になる」ということについても、そう。
マインドフルネスを続けていくと、脳自体が変化していきます。
脳にはストレスや不安に反応する偏桃体という部位がありますが、マインドフルネスを続けることによって偏桃体が小さくなり、ストレスや恐怖などに反応しにくくなる。
つまり、ストレスなどを感じにくくなるんです。
同時に、意識の切り替えを行うスイッチの役割をする前頭葉の体積が大きくなります。
「マインドフルネスによって感情をコントロールできるようになる」というのは、こういった理由からです。
マインドフルネスで心が落ち着き、自分らしい、自分にとって正しい判断ができるようになります。
人間関係もスムーズにいくようにもなるでしょう。
ちなみに、人間が歳をとるにつれて怒りやすくなるのは、年齢とともに前頭葉が小さくなって感情を抑えられなくなるからです。
マインドフルネスによって、こうした変化も食い止めることができます。
天才脳も開花!?「感じる脳」が育つと、ひらめきや発想力がグンと高まる
また、「脳が育つ」というメリットもあります。
脳には「感じる脳(主に右脳)」と「考える脳(主に左脳)」がありますが、現代人は「考える」ことに重きを置きがちで、考える脳ばかりを使いがち。
すると、あまり使わない「感じる脳」はどんどん小さくなってしまいます。
マインドフルネスでは「今、この瞬間を感じる」ことに集中するため、創造性やひらめきなどを司る「感じる脳」が育つのです。
考える脳と感じる脳をバランス良く使えるようになると、脳の機能はぐんとアップします。
前回の記事で「マインドフルネスは世界的な企業の社員研修にも取り入れられている」とお話ししました。
Googleでもマインドフルネスを導入して感じる脳を育てることによって創造性が高まり、新しい発想がどんどん生まれるようになったそうです。
現代は子どもに対しても、「考える」ことばかりを求めがちですよね。泣いている子どもに「なんで泣いているの?」と、説明を求める場面も少なくないでしょう。
ですが、子どもはうまく説明できないから泣いているわけです。
理由や表現を考えさせるのも時には必要かもしれませんが、まず子ども自身が「うまくいえないけど自分は悲しいんだ」「苦しいんだ」ということをしっかり感じること。
お父さんやお母さんも「この子は泣いてしまうくらいの辛さがあるんだな」とお子さんの状態を感じ取るようにしてみてはいかがでしょうか。
そういった積み重ねで、親子ともに「感じる脳」を育てられるはずです。
この感じる脳を育てるのに、寝る前の時間はとても有効です。
寝る前のたった10分が、未来を切り開いていく力を育むのはなぜ?
「感じる」とは「自分の中に意識を向ける」ということで、「小さい子には難しいのでは?」と思われるかもしれません。
確かに小さいうちは難しいかもしれませんが、「自分に起こっていること」に意識を向けることはできます。
たとえば、この本にある『アイスクリーム』というお話では、アイスクリームのカップに触ったときの感覚、ふたを開けたときの香り、スプーンを入れたときの感触、口に入れたときの味の広がり方……などが丁寧に描かれています。
そういった一つひとつを思い浮かべることは、子どもにでもできます。
こうした積み重ねによってマインドフルネスの状態に近づき、その状態が深まることで、集中力がつき、思考の切り替えや感情のコントロールがしやすくなり、人の気持ちにも気づきやすくなります。
それによって、勉強がはかどるようにもなったり、円滑な人間関係が築けたりするようにもなるでしょう。
実際に、欧米では学校教育にマインドフルネスを取り入れているケースが増えています。
また、発達障害の子がマインドフルネスを実践することで「日常生活への適応力が高まった」「幸福度が上がった」といった結果も報告されています。
さらに、うつ病などの心理療法にもマインドフルネスが活用されるようになっています。
マインドフルネスによって自分の「内側」にしっかり目を向け、自身を感じ、脳を育て、感情のコントロールができるようになることで、直感力・判断力・行動力も養われます。
これらの力が磨かれると、適正な選択を行うことができたり、ひいては自分にとって良い人生の選択をできるようになるとも言えます。
自分の友達、環境、将来を、どう選んで進んで行くか。
そういった、生涯にわたって「生きる力」全体が養われるのです。
マインドフルネスは継続して行うことで、より効果を発揮します。
本書を楽しむたった5分、10分の習慣が、お子さん自身が未来を切り開いていく力を育むことにつながるのです。
『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』書籍の情報
新刊『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』発売プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000692.000041489.html
書籍は、全国の書店・オンライン書店等で購入いただけます
Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4537223510
楽天ブックス https://books.rakuten.co.jp/rb/18487227
【書誌情報】
『読めば親子でマインドフルネス 最高に心地よく眠れるお話47』
著:山口創(やまぐちはじめ)
寝る前って意外に大変!
大興奮で謎の歌や踊りを踊っているなか寝室に誘導したり、
明日の予定にナーバスになっている心に寄り添ったり、
「早くねてほしい~」と思いながら何冊も絵本を読んだり……。
長い目でみたら、子どもの隣で体をくっつけながら寝かしつける時期は
きっとすぐ終わってしまう、貴重な時間。
とはいえ、寝かしつけが負担になり、つらいと感じることもあるでしょう。
親がピリピリしていたり、トゲトゲしていると、
子どもも安心して眠っていけないかもしれません。
本書は、「今、ここにある体験」に心を向けて、心をおだやかに整えていく、
マインドフルネスのエッセンスが溶け込んだ1冊。
寝る前に親子でこの本を開くことで、
リラックスでき、心と体が「眠る準備」に優しく導かれていきます。
毎晩の寝かしつけが、少しラクになり、
親子のつながりを感じられる温かな時間にできるのです。
【著者紹介】
山口 創(やまぐち はじめ):監修
桜美林大学リベラルアーツ学群・教授。博士(人間科学)。臨床発達心理士。
1996年早稲田大学大学院人間科学研究科修了。幸福ホルモン、オキシトシンの作用に注目し、健康や幸福になるためのメソッドについて心理学、生理学、皮膚科学など幅広い分野から研究。独自で確立した「タッチ(=触れる)学」、「ポジティブ心理学」などを通して、ウェルビーイングの増進を目指す。著書に『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)、『幸せになる脳はだっこで育つ』(廣済堂)、『子育てに効くマインドフルネス 親が変わり、子どもも変わる』(光文社)など多数。
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