春の不調に効く! 優しくさするだけの“セルフタッチケア”【その、しんどさは「季節ブルー」】

春のセルフケア① 痛いと思ったところを優しくさする
春の気候変化による体の不調には、自分の体に意識を向け、優しく触れるセルフタッチが非常に有効です。東洋医学の「気がめぐれば血もめぐり、気が滞れば血も滞る」という「気血水(きけつすい)」の考え方に基づいたケアです。気の流れをスムーズにすることで、不調が緩和されると考えます。
春は、「肝」の「気」が過剰に高ぶったり、流れが滞ったりすることで、エネルギーが上半身に逆上して、全身のバランスが崩れやすい季節です。これによりイライラ、音過敏、頭痛、めまい、のぼせ、息苦しさ、腹満、動悸 、不眠などの症状が出てきます。
西洋医学的に見れば、痛む部分をさするという触覚刺激が、痛みの神経回路のゲートを閉じ、視床下部から「オキシトシン」という愛情ホルモンの分泌も促すのです。
たとえば、A子さんには、胸の詰まりや張りなど、具体的に「ここが苦しいな」「張っているな」と感じる部分がありました。そこで、その部分を右の手のひらでゆっくりと円を描くようにさすってみました。
右手からは気が出てくると考えられています。その右手で優しく体に触れることは、気の逆上や滞りを解消し、気の循環を促します。そして、不調和が緩和されるという効果も期待できます。右回りにはエネルギーを入れるという働きがあり、左回りはその逆になります。
上半身を支配する副交感神経を優しく刺激すると、視床下部から幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」の分泌が促されます。「ふれあい」「つながる」という感覚により交感神経の高ぶりが緩和されるのです。
春、不調を感じたら、その部分を優しくさすってみましょう。

【出典】『その、しんどさは「季節ブルー」』著:長沼睦雄
【書誌情報】
『その、しんどさは「季節ブルー」』
著:長沼睦雄
「春先はいつもイライラして、眠れない」
「雨が降る前は、決まって頭が痛い」
「秋になると、理由もなく気分が落ち込む」
「寒い冬はずっと気分が鬱々としてしまう…」
毎年やってくる季節の変わり目の不調。
それは、あなたの「気のせい」でも「怠け」でもありません。
実は近年、こうした「季節ブルー」を感じる方がとても多くみられます。
西洋医学では「自律神経の乱れ」や「ホルモンバランスの変化」と説明されるそれらの不調は、二千年以上前の東洋医学の聖典『黄帝内経』によれば、自然界のエネルギー(気)と私たちの体が共鳴し合うことで生じる、ごく自然な反応です。
だから、心と体がしんどくなっても、決して自分を責めないでください。
本書は、過敏性研究の第一人者である著者が、西洋医学の豊富な知識で不調の「正体」を解き明かしながら、東洋医学の知恵を用いて、あなたに寄り添う1冊です。
最新の医学的知見と、古代からの壮大な知恵を組み合わせ、「なぜ季節の変わり目に、あなたの心と体はゆらぐのか?」その根本原因を解き明かし、気圧、気温、湿度、日照時間といった自然のリズムと上手に付き合い、自分自身を優しくいたわるための具体的な「養生法」を提案します。
私たちが本来持っている自然治癒力を引き出し、根本からゆらぎにくい心と体質へと整えていきましょう。
ページをめくるごとに、自分の不調の正体がわかり、心がふっと軽くなるはずです。
もう、季節の変化に振り回されない。
これは、変化の多い時代を生きるあなたのための、一生もののお守りとなる一冊です。
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