赤字路線は廃止される?考えていくべき公共交通機関としての役割とは【眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話】

時代に即した地方交通の形を模索

これまでに多くのローカル線が廃線になりました。その要因が、利用者の減少に伴う採算性の悪化です。

地方のローカル線では、人口減少とモータリゼーションが原因で、利用者は年々減り続けています。1970 年代半ばと現在を比較すると、利用者数がおよそ1/10 にまで減少した路線もあります。鉄道のメリットは一度に大量の乗客を輸送できること。従来はそのメリットを十分に活かしていた路線であっても、現代では運行の経費だけがかさんでしまうというのが現状です。

そうなるとその地域のニーズに合わせて、公共交通機関が低コストで運行できるバスに置き換わるのは自然なことでしょう。また、バスは道路があれば自由に行き来できるため、役場や学校、病院といった需要が多い施設の目の前に止まることができます。

ただし、更なる利用者の減少によって採算が取れず、バスすらも廃止になってしまうケースもあります。近年はバスの運転士が不足しているのも大きな問題です。

住民の大事な足を赤字だからといってなくしてもいいのか。それゆえに、低コストで運用できる新しい交通システムなど、時代に即した地方交通の形を考える必要があります。

ローカル線が消えて路線バスへ

人口の少ない地方都市や過疎化の進む地域では、ローカル線が減便されたり廃止されたりする流れが続いています。代わりに住民の足となるのが路線バス。しかし更なる利用者の減少でバスさえも廃止になるケースもあります。

最近増えている「デマンドタクシー」

事前予約で利用できる乗り合い型のタクシー。地域によって利用方法は違い、自宅前まで迎えに来てくれるものもあれば、バスのように停留所が決められ、そこから乗り降りするものも。運賃は大人1人300円から500円程度のことが多く、通常のタクシーよりも利用しやすい料金です。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』著:綿貫 渉

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
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今まで知らなかった鉄道の世界を覗くことで、元々鉄道が好きな方はもちろん、そうでなかった方も、鉄道や交通に興味を持つきっかけとなる一冊です!

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