実に鳥類の半分がスズメの仲間!? 鳥類最大グループ「スズメ目」【眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話】

約1万種類いる鳥類の半分がスズメの仲間

鳥類最大のグループ

日本全国に生息し、日本人なら誰もが見たことのあるスズメですが、約1万種にも及ぶ鳥類のうちの6700種以上がスズメ目、つまりスズメの仲間だということはあまり知られていないかもしれません。そのルーツをさかのぼると、約8000万年前に出現した「新鳥類」に該当すると考えられています。この新鳥類が約5500万年前頃に分化し、オセアニアに渡った系統が直系の祖先だといわれています。今では世界中に分布し、環境に適応しながら多彩な進化が見られます。

スズメ目は大きく3系統に分類できます。最初のグループはスズメ目の祖先に近いニュージーランド固有種のイワサザイで、1種が現存しています。

次のグループは、5000万年前頃にイワサザイ類から分化した亜鳴禽類です。亜鳴禽類はオーストラリア、南極、南米がつながっていた3700万年前までにアメリカ大陸まで広がりました。日本での唯一の種がヤイロチョウです。

第3のグループが、スズメ目の中心になる鳴禽類です。鳴禽類は鳴くための器官が複雑に発達した、さえずる鳥たちです。鳴き声で有名なウグイスやカナリアなどの小鳥から、カラスやコトドリまでスズメ目の約5300種(80%)近くを占めています。

6700種以上が属する鳥類最大の「スズメ目」

スズメ目

・スズメ目の祖先に近い鳥(イワサザイ亜目):イワサザイ 1種
・亜鳴禽類(タイランチョウ亜目):ヤイロチョウ、マイコドリ、タイランチョウなど 約1,400種
鳴禽類(スズメ亜目):約5,300種

鳴禽類(スズメ亜目)約5,300種

・原始鳴禽類:コトドリ、ミツスイ、ニワシドリなど
・カラス上科
  カラスの仲間:カラス、モズ、サンコウチョウなど
スズメ上科

スズメ上科

オーストラリアヒタキ:キアシヒタキなど
ウグイスの仲間:ウグイス、メジロ、ツバメ、ヒヨドリなど
ヒタキ・レンジャクの仲間:キビタキ、ムクドリ、レンジャク、ジョウビタキなど
キバシリ・キクイタダキの仲間:キクイタダキ、ゴジュウカラ、ミソサザイなど
スズメの仲間:スズメ、セキレイ、カナリア、プンチョウなど

よく知られているカラスやメジロ、ムクドリなどもスズメ目に含まれる。スズメの姿に近い鳥から、まったくかけ離れたもの、非常にカラフルな鳥も含まれ、分布の広さと進化の多様性に驚かされる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』監修:小宮輝之

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』
監修:小宮輝之


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飼うこと、食べること、動物園・水族館・花鳥園などでの鑑賞、身近にいる野鳥など、寿命が長い上、インコやオウムなどは話したり、歌ったりとコミュニケーションもとれることから、日本には愛鳥家も多く鳥関連のイベントも定期的に開催されており、動物類のなかでもコアファンが多い生き物です。

鳥類は恐竜時代から大量絶滅を唯一生き延びた動物のため、歴史も古く、進化の過程で飛ぶ・飛ばないをはじめ、大きさや形、色、生息地域も異なり、外見も内面も個性豊か。
社交性も高い上、カラスやオウムなどは知能も高く、行動学の観点でも面白い特徴が多く見られます。

「約1万種類いる鳥類の半分はスズメの仲間」
「鳥の祖先は、結局恐竜なの?」
「鳥に歯はない。くちばしは骨?角質?」
「カラスは家族のためなら、友情は簡単に裏切る」
「スグロミツドリは“右半身がオスで左半身がメス”」
「カメは万年、ツルは千年 ツルの本当の寿命は30年」
「おしどり夫婦の由来であるオシドリは普通に浮気する」
「ダチョウは家族が入れ替わっても気付かない」
「ハゲワシがハゲているのは、ちゃんとした理由がある」などなど
そんな鳥たちの意外な生態や知られざる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。

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