フラミンゴが片脚立ちで寝続ける理由とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話】

フラミンゴが片脚で立つ理由は「寒いから」
片脚で立つにはワケがある
すらりと長い脚でずっと片脚立ちをしている姿が印象的なフラミンゴ。実は片脚で立つことによって「寒さ」から体を守っているのです。
フラミンゴは水の中で過ごす時間が多い鳥で、脚が長いのは水中を歩くために必要な進化でした。脚には羽がほとんどなく、水に浸かっている時間が長くなるほど体温が奪われてしまいます。そんなとき、片脚だけを水から出して休めることによって体の熱が逃げるのを防いでいるのです。立つ脚を時々変えて、片脚ずつ交互に水から出しています。
加えて近年の研究では、両脚よりも片脚で立つほうがバランスを保ちやすいということもわかってきました。ちなみに、ほとんどのフラミンゴは寝るときにも片脚で立ち、長い首をきれいに折りたたんで眠ります。
また、フラミンゴのもう1つの大きな特徴が、鮮やかな赤い体色。実は、生まれたときは赤くありません。親から与えられる「フラミンゴミルク」や、エサとなる小さな甲殻類や藻類の中にはカロテノイドという赤い色素が含まれていて、それらが体に取り込まれることで、赤やピンク色の体になるのです。フラミンゴという名前も、鮮やかな炎のような体色からラテン語の「Flamma(炎)」に由来するといわれています。
フラミンゴが片脚立ちする理由
理由1 寒さ対策
体温が下がりすぎるのを防ぐために、片方の脚を水から出している。
理由2 バランスをとりやすい
近年の研究では、両脚で立つよりも片脚で立っているほうがバランスをとりやすいことがわかってた。

基本は寝るときも立ったまま
長い首をきれいにたたんで、片脚で眠るスタイルが主流ですが、座って眠るフラミンゴの姿も確認されています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』監修:小宮輝之
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』
監修:小宮輝之
飼うこと、食べること、動物園・水族館・花鳥園などでの鑑賞、身近にいる野鳥など、寿命が長い上、インコやオウムなどは話したり、歌ったりとコミュニケーションもとれることから、日本には愛鳥家も多く鳥関連のイベントも定期的に開催されており、動物類のなかでもコアファンが多い生き物です。
鳥類は恐竜時代から大量絶滅を唯一生き延びた動物のため、歴史も古く、進化の過程で飛ぶ・飛ばないをはじめ、大きさや形、色、生息地域も異なり、外見も内面も個性豊か。
社交性も高い上、カラスやオウムなどは知能も高く、行動学の観点でも面白い特徴が多く見られます。
「約1万種類いる鳥類の半分はスズメの仲間」
「鳥の祖先は、結局恐竜なの?」
「鳥に歯はない。くちばしは骨?角質?」
「カラスは家族のためなら、友情は簡単に裏切る」
「スグロミツドリは“右半身がオスで左半身がメス”」
「カメは万年、ツルは千年 ツルの本当の寿命は30年」
「おしどり夫婦の由来であるオシドリは普通に浮気する」
「ダチョウは家族が入れ替わっても気付かない」
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そんな鳥たちの意外な生態や知られざる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。
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