夜空の星はなぜカラフル?色でわかる宇宙の謎【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】


表面温度が星の色に反映される
何気なく眺めていると気づかないものですが、夜空の星にもそれぞれ色があります。それも白や黄色といったいかにも星らしい色だけでなく、赤い星や青白い星などさまざま。たとえばこと座のベガ(織女星)は白い星ですが、オリオン座のベテルギウスは赤、おうし座のアルデバランはオレンジ色をしています。一方、青白く輝くのがおとめ座のスピカなどです。
このような色の違いは何によって決まるのでしょう。恒星の場合は、表面温度が見かけの色に関わっています。具体的には温度が低いほど波長の長い赤が強くなり、反対に温度が高いほど波長の短い青が強くなります。
また、温度の高い青っぽい星の多くが質量の大きい若い星、赤い星の多くが質量の小さい星か老年期を迎えた星とされています。つまり大きくて若い星ほど核融合反応も活発で、それが表面温度の高さに表れているのです。
恒星はこのように自ら光っていますが、惑星は太陽の光を反射することで光を放っています。そしてその色は、それぞれの星の表面や大気の状況によって異なります。火星の赤は土の色ですし、金星が黄色っぽく見えるのは、大気を覆う二酸化炭素の層などが太陽光を反射するせいです。海王星は大気中のメタンが主に赤い色を吸収するため、青く見えます。
恒星の色は表面温度で変わる
夜空に輝く星のほとんどを占める恒星は、それぞれに異なる色を放っている。その色の違
いは表面温度で決まり、温度が低いと赤っぽく、高いと青(白)っぽく見える。

※表面温度はおおよその数値
惑星の色は表面や大気の状態で変わる
惑星の色はその星の表面の色や大気の色、反射する光によって決まる。
金星
厚い二酸化炭素の層と濃硫酸の雲が大気中に広がり、太陽光を反射しているため黄色く輝いて見える。

火星
火星はほかの星より赤い。これは表面の土や砂に含まれる鉄が酸化したため。
つまり赤さびの色。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一
これを読んだら、夜空を見上げずにはいられない!
知れば知るほど面白い、不思議で壮大な“天体”の魅力と楽しみ方をわかりやすく解説!
天文学とは、人類最大の謎とも言える「宇宙ってどうなっているの?」を観測によって解明しようとする研究分野で、最も歴史のある学問の1つです。
本書では、そんな天文学の話の中から、今日から夜空を見上げたくなる天体の雑学、望遠鏡がなくても観測できる星の探し方など、天文学を身近に感じる話題を厳選して掲載します。
「月食って月の満ち欠けと何が違うの?」「金星は星なのに真夜中に見えないのはなぜ?」「冥王星はなぜ惑星から外されたの?」など、意外と答えられない天体の素朴なギモンも解消!
また、「ローマ教皇が阻止したかったガリレオ・ガリレイの“地動説”とは?」といった、天文学を取り巻く学問と宗教の関係や、現在研究されている「宇宙」にたどり着くまでの天才たちの数々の説のウソホントなども解説します。
天文学の魅力と歴史を楽しみながら学べる一冊です。
この記事のCategory
オススメ記事

よく話題になる日食や月食ってどんなもの?【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

今夜の空に輝くのは?知られざる“一番星”の真実とは【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

地球から肉眼で見える一番遠い星は?【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

「ブルームーン」は本当に青い!? 人々が見上げる数年に一度の奇跡【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

星のなかで唯一、北極星だけ動かない理由とは【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

「金星は夜に見えない!?」意外と知らない“明星”の雑学【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

月にうさぎが見えるのは日本人だけ?脳がつくる“見え方”の謎【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】
