星は死ぬけど星座は消えない!? 天文学の驚きの真実とは【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

星座は図形ではなく領域を指している

太陽は黄色く輝く質量の小さい恒星で、年齢にたとえると現在45億歳くらいです。そして約50億年後に死を迎えると考えられています。

恒星は水素の核融合によって自ら輝いていますが、質量が大きいと核融合反応がより速く進み、数億年で寿命を迎えることもあります。恒星は老年期になると燃料となる水素が不足してバランスがくずれ、次第に膨張して巨大化し、温度が下がって赤くなります(赤色巨星)。その後はゆっくり冷えて、穏やかに最期を迎えます。

これが、太陽よりずっと重い恒星であれば最後は大爆発(「超新星爆発」)を起こします。

ところで、星が寿命を迎えて夜空から消えてしまったら、その星が所属する「星座」はどうなってしまうのでしょう。星座の成り立ちを考えると、その答えが出てきます。実は現在ある88の星座は、1922年に国際天文学連合(IAU)が名前と境界を定めたもので、特定の星の集まりではなく、天球上の「住所」のようなもの。つまりある星座に属する星が消え、星を結ぶ線が成り立たなくなっても、その星座の領域は変わらないので星座もなくならないのです。

そもそも星の寿命は、人の寿命と比べものにならないくらい長いものです。数千年後でも88星座は今とほとんど変わらない姿で夜空にまたたいていることでしょう。

質量の大きさによって異なる恒星の一生

恒星は、その重さによってさまざまな一生をたどる。代表的なケースを見てみよう。

太陽と同程度の重さの恒星は、核融合反応を停止して寿命を迎えると、膨張して「赤色巨星」となり、最後はその中心が小さな「白色矮わい星せい」となり、ゆっくりと冷えて暗くなっていく。

太陽の8倍を超える、特に重い恒星では、数千万年から数百万年で質量を使いはたし、最後は「超新星爆発」により一生を終える。

個々の星が消えても星座に影響はない

オリオン座のベテルギウスは赤色超巨星(光度やサイズが巨大な赤色巨星)で、約10万年後に超新星爆発を起こして消滅するとされる。そのときが来ても星座の領域が今のままならオリオン座はなくならない。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一


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