地球も弾き出される? 浮遊惑星の誕生メカニズムとは【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】

宇宙をプカプカと浮遊する惑星

惑星と聞くと、地球をはじめとする太陽系の惑星のように、恒星のまわりを公転する天体を思い浮かべるかもしれません。

しかしながら、惑星のなかには「浮遊惑星(自由浮遊惑星)」や「はぐれ惑星」と呼ばれるものも存在します。浮遊惑星が生まれた原因としては、もともと恒星のまわりを回っていた惑星が何らかの理由で弾き出されたという説と、自己重力によって直接形成されたという説の2つが有力です

学術誌『アストロノミカル・ジャーナル』では、天の川銀河(銀河系)には浮遊惑星が1兆個以上存在する可能性があるという研究結果が発表されました。また、欧州宇宙機関(ESA)も7つの浮遊惑星を発見しています。

通常の惑星は、恒星の光を浴びながら昼と夜のサイクルをつくります。しかし、浮遊惑星は恒星の光を受けないため、地表は暗闇に包まれ、凍りついています。ただし、内部に何らかの熱源がある場合、微生物のような生命が存在する可能性も指摘されています。

また、浮遊惑星は恒星の寿命に左右されないことも特徴になっています。たとえば、太陽系では太陽が燃え尽きると地球環境が激変しますが、浮遊惑星にはそのような影響がなく、長期的に安定した環境を維持できるのです。

恒星のまわりを回らない浮遊惑星

通常の惑星と違って恒星のまわりを回っていない惑星のことを浮遊惑星と呼ぶ。

恒星のまわりから飛び出した?

恒星のまわりを回っていた惑星が、惑星同士の重力の関係などで軌道から弾き出されて浮遊惑星になったと考えられている。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一


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