「苦味」が奥行きを生む? ”鳥羽シェフ流”苦味の使い方とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話/鳥羽周作】

苦味を少し足すと奥行きが生まれる
わずかな苦味が甘味と脂を支える
避けられがちな”苦味”は、料理をまとめるための設計要素です。甘味や脂が強い皿に、ほんのわずか苦味を添えると全体の輪郭が引き締まり、食後の着地がすっきりと感じられます。
たとえば春菊の苦味。すき焼きのように脂やうま味が濃い料理に少し加えると、くどさが流れて心地よく食べ進められます。そしてもうひとつ、プリンのカラメルも同じく心地よい苦味の代表です。卵や砂糖の甘さに寄り添いながら、最後の余韻まで調和を保ちます。
人は、甘味や脂だけが続くと単調に感じやすいものです。そこに少量の苦味を置くと対比が生まれ、味の焦点が定まります。大切なのは“少しだけ”という加減です。入れすぎれば苦味が主役になり、逆に入れなければ全体がぼやけてしまいます。甘味や脂の土台を壊さずに支えられる分量にとどめることで、料理にほどよい奥行きが生まれるのです。
これを実践するのに、特別な技術は必要ありません。甘さや脂が強い一皿に少量の苦味を添える――そうしたひと手間を加えるだけで、味の輪郭ははっきりとします。
苦味は避けるものではなく、甘味や脂を支えるための調整役です。わずかな苦味を設計に組み込むことで、同じ材料でもぐっと“大人の味わい”に近づけることができます。
甘味や脂を支える苦味

春菊の苦味は脂の重さを流し、カラメルの香ばしい苦味はプリンの甘さを引き締める。苦味は避けるものではなく、味を微調整して支えてくれる設計要素。ほんの少し加えるだけで、甘味や脂の料理が驚くほど食べやすくなる

“少しだけ” が奥行きを生む
苦味は、入れすぎても足りなくてもダメ。わずかに添えることで輪郭がはっきりし、同じ食材でも“大人の味わい”に引き上がる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話』著:鳥羽周作
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 料理の話』
著:鳥羽周作
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