実は“カラス”はいない!? 黒い鳥の正体とは【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】


ちなみにカラスという鳥はいませんよ

カラス科はニューギニアやオーストラリア付近で分化(祖先から新たな種が進化すること)した「スズメ」「ツバメ」という種はいますが、カラスという鳥はいません。世界に40種ほどいるカラスはすべて◯◯ガラスという種名です。日本で見られるカラスだけでもハシブトガラス、ハシボソガラス、ワタリガラス、ミヤマガラス、コクマルガラスの5種。
さらにニシコクマルガラス、イエガラスの2種が見つかったことがあります(注)。世界に9000種ほどいる鳥のうち、5000種以上を占めるのがスズメ目。その中のカラス科(約250種)があり、カラス科に含まれるカラス属が、狭い意味でのカラスです。カラス科にはカケス、カササギ、オナガなども含まれます。カラス科はニューギニアやオーストラリア付近で分化(祖先から新たな種が進化すること)した鳥だと考えられています。
カラスの先祖がなんだったかはわかっていませんが、極めて近縁な鳥の一つとしてゴクラクチョウ(フウチョウ)科があげられています。ゴクラクチョウはニューギニアなどに住む、不思議な飾り羽を持った美しい鳥です。真っ黒なカラスの親戚だとは到底信じられないのですが、遺伝子の類似性を研究すると確かに近縁なので仕方ありません。
「スズメ」「ツバメ」という種はいますが、カラスという鳥はいません。世界に40種ほどいるカラスはすべて◯◯ガラスという種名です。日本で見られるカラスだけでもハシブトガラス、ハシボソガラス、ワタリガラス、ミヤマガラス、コクマルガラスの5種。さらにニシコクマルガラス、イエガラスの2種が見つかったことがあります(注)。
世界に9000種ほどいる鳥のうち、5000種以上を占めるのがスズメ目。その中のカラス科(約250種)があり、カラス科に含まれるカラス属が、狭い意味でのカラスです。カラス科にはカケス、カササギ、オナガなども含まれます。
カラスは南米、ニュージーランド、南極を除く全世界に分布しています。南米にいない理由はわかっていませんが、南米大陸は他の大陸から切り離されていた時期が長いせいかもしれません。
(注)最新の分類ではコクマルガラス、ニシコクマルガラスはカラス属ではなくコロエウス属となっていますが、長年のよしみでカラスの仲間に数えておきます。
カラスの親戚・ゴクラクチョウ
カラスに近縁な鳥の中でも不思議なのがゴクラクチョウ(フウチョウ)。ニューギニア周辺に分布する、とても派手な鳥です。
世界の鳥、約9000種のうち…
約5000種以上がスズメ目
ヒヨドリ科 シジュウカラ科 スズメ科 ヒバリ科 ヒタキ科 ツバメ科 ツグミ科 セキレイ科など
約250種がカラス科
カラス属(約40種)、カケス属、オナガ属、カササギ属、ホシガラス属など

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著:松原 始
「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!
黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。
不吉なシンボルとされる一方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。
「カラスはほんとは怖くない!?」
「読めばよむほど、好きになる!?」