カラスもエサを美味しく食べたい!? カラスの賢い「調理テク」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】


料理は好きなほうなんですよ
料理というのはあくまでも例え話ですが、エサをひと工夫してから食べる、という意味です。
ハシボソガラスはクルミを食べたいとき、高いところから落として割ることがあります。車にひかせて割るのが有名ですが、あれはごく一部の個体しかやりません。落として割るのは、ごく普通です。
クルミ以外にも、二枚貝や巻貝を落として割るのも知られています。アメリカのコバシガラスが貝を割るときは、種類ごとの固さに合わせ最低限必要な高さまで飛び上がってから落とします。日本での研究例によると、見た目の似た貝が多いせいか、そこまで精密ではなかったとのこと。面白いのは、ちゃんと硬い地面を選んで落とすことです。こういう小ワザを使うのはだいたいハシボソガラスで、ハシブトガラスは「やらなくもないが、あまり上手くない」レベル。カモメは芝生に落としてしまって全然割れないとのこと。
硬いものやパサパサしたものを水に浸けてふやかす行動もよく見られます。動物の死骸は干からびていることもあるので、そういったエサを少しでも食べやすくする工夫なのかもしれません。街中にいるカラスは、せんべいやクッキーなど、硬くて砕けてしまうものを水に放り込み、ふやかしてから、ちぎって食べるのが得意です。でも、ご飯も水に放り込んでしまうことがあり、それではバラバラになってしまって食べづらそうです。「ベタベタして気持ち悪い」のかも。
カラスの 3 分間クッキング
高いところから落とす
貝やクルミをくわえて飛び上がり、空中から落として割って食べる行動は、ハシボソガラスや北米のコバシガラスに広く見られます。割れなければ何度も繰り返します。ちゃんと硬い地面を狙って落とすところが利口。

車にひかせる
落としたが割れなかったクルミを車がひいてくれたことで覚えたようです。日本のハシボソガラスでしか観察されていません。各地で散発的に観察例がありますが、技として難しいのか、例数は多くありません。

水につけてふやかす
せんべいやビスケットなど、硬くて食べにくいものを水に入れて、ふやかしてからちぎって食べることがあります。おにぎりなど、粘着性のものも水に放り込むようです。全然関係ないものを放り込むこともあります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著:松原 始
「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!
黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。
不吉なシンボルとされる一方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。
「カラスはほんとは怖くない!?」
「読めばよむほど、好きになる!?」
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