「カラスに顔を覚えられた!?」人間とカラスの適切な距離感とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】

カラスと仲良くなれる?

野生動物だってことは忘れないでくださいね

カラスには近づきたくないという人もいますが、世の中には「カラスと仲良くなりたい!」という珍しい人もいるかもしれません。

野生動物と「仲良く」なるのに一番簡単なのは、餌付けしてしまうことです。ただし!それをやっていいかというと、基本的にダメです。

理由はいくつもありますが、きついことを言えば、「エサで釣って近くにこさせるのって、ただのパパ活や援助交際だよね?」ということです。野生動物相手の場合、「お腹が減ってかわいそうだからエサをあげましょう」が美化されやすいだけの話です。

特にカラス相手の場合、餌付けして人に寄ってくると必ず「襲われた」という話が出てきて、最終的には駆除になったりしますので、いいことは何一つありません。

エサで釣らなくても、カラスと顔見知りになることはできます。京都でカラスを研究していたころ、調査地のカラスは私の顔を覚えていたようでした。最初の年はひどく警戒して、後をつけて行くとすぐ怒っていたカラスが、翌年にはそれほど怒らなくなっていたからです。1時間に1度、近くに飛んできてじーっと偵察してから戻ることはありましたが。

こんな具合いで、仲良しと言っても「多少近づいても黙認してくれる」レベルなのですが、それでもカラスに顔を覚えられて、いくらかでも信頼を得ることができたのは、ちょっと誇らしい気分でした。仲良くなれるとしたら、多分、こういう形です。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著:松原 始


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