【最期の輝き】心臓が止まった後に脳が活性化?最新研究が解き明かす「死の数分間」【眠れなくなるほど面白い 図解 死の話】

死後の数分間、脳は一時的に活性化する

心臓が止まったあと、脳が見せる最後の光

 心臓が止まれば命も終わる――こうした理解は長く一般的なものでした。医療の現場でも、心臓や呼吸が回復不能な形で止まったとき、死と判断されるのが標準的な考え方でした。

 しかし近年、心が停止したあとにも脳がわずかに活動を続けることがわかってきました。2018年のカナダの研究では、集中治療室で死亡が確認された患者のうち数人の脳から、心停止後にも短い脳波が記録されました。もしかすると、私たちがとらえてきた“死の境界線”は、これまで考えられていたよりもはるかにあいまいなものかもしれません。呼吸も鼓動も途絶え、外見上は体がすべての活動を停止しているように見えるその後も、脳の内部では最後の電気信号が走っている可能性があるのです。

 脳が最後に見せるこの活動は、「スプレッディング・デポラリゼーション(拡散性脱分極)」と呼ばれます。酸素を失った神経細胞が限界を迎え、一斉に放電することで、脳全体が一瞬だけ強く反応します。やがてその波はゆっくりと弱まり、沈黙へと近づいていきます。人は亡くなる直前まで「耳は聞こえている」といわれることがありますが、脳のこうした現象を知ると、その言葉が生まれた背景も理解できるでしょう。

心肺停止後も脳はまだ活動している

心臓が止まっても、脳の神経はすぐには沈黙しない。心肺の停止と脳の停止には、わずかな時間差がある。

死の間際に起こる脳の一時的な活性化

  • 【生前】脳波に異常なし
  • 【心停止直後】電気信号が一斉に発生し、一時的に活性化
  • 【数分後】エネルギーが尽きて完全に沈黙

心臓が止まった直後、脳では一時的な活性化が起こる。それは、脳が沈黙に入る前に放つ最後の信号である。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 死の話』監修:島田裕巳

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