ピラミッド以外の王墓もあった【眠れなくなるほど面白い 図解 古代エジプトの話】

ピラミッド以外の王墓もあった

ピラミッドから「王家の谷」 へ

古王国時代の中央集権的国家が崩壊するにつれ、王墓はピラミッドから別の形に移っていきます。中王国時代の第12・第13王朝の頃はまだ、ほとんどの王がピラミッドを築きました。ピラミッド建設に終止符が打たれるのは、新王国時代の第16王朝で、「王家の谷」「王妃の谷」と呼ばれる岩窟墓(山を掘り抜いて造られた墓)群が誕生します

ピラミッド建設地のような平坦な土地でなく、あえて険しい岩山の谷が建設の場所に選ばれたのには、大きな理由がありました。王の権威を示すピラミッドは高くそびえ立ち、遠くからでもそれとわかります。皮肉にもそのために、ピラミッドの内部に収められた王墓は盗掘の被害を免れることができず、贅を尽くした副葬品の数々が失われてしまったのです。岩窟墓は、そうした墓の盗掘を防ぐために生まれたものです。新王国時代に「王墓は隠す」こととされ、切り立った崖の岩肌をうがった岩窟墓を建設することになりました。

「王家の谷」とその南の「王妃の谷」には、新王国時代の王族の墓が多数造営されました。ラメセス朝ではセティ1世が、「王家の谷」最大の王墓を造営しています。有名なラメセス2世も、「王家の谷」に葬られています。そして、2025年に発見されて話題になった、ハトシェプスト女王の夫トトメス2世の墓も、「王家の谷」から少し離れた谷の岩窟墓だったのです。

盗掘防止のために険しい立地の「王家の谷」

盗掘を免れた王墓はレア!

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古代エジプトの話』著:河合 望(エジプト学者・考古学者/筑波大学人文社会系教授) 

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 古代エジプトの話』
著:河合 望(エジプト学者・考古学者/筑波大学人文社会系教授)


【Amazonで購入する】

ピラミッドはなぜ造られたのか?
ミイラにはどんな技術が使われていたのか?
そして、古代エジプト人は何を考え、どんな毎日を送っていたのか――?

いまだ多くの謎に包まれ、世界中の人々を惹きつけてやまない古代エジプト文明。
本書では、最新の考古学研究に基づき、ピラミッド建築の真実、ミイラ作りの驚くべき技術、今なお世界中の研究者が追っている次なる謎など、古代エジプト文明にまつわるトピックをわかりやすく図解で解説します。
さらに、ピラミッドや神話だけにとどまらず、古代エジプト人の暮らしや信仰といった生活面にもフォーカス。
食事や住まい、労働の実態、信仰と死後の世界への考え方など、他の入門書ではなかなか触れられないテーマを、学術的裏づけとともに紹介。
最新CTスキャンで明らかになった新事実、多くの説が飛び交ってきたピラミッドの謎、そして文学や詩に込められた古代人の想いまで、読むほどに眠れなくなるほど面白い、古代エジプト入門にオススメの一冊です!

この記事のCategory

インフォテキストが入ります