シーラカンスが絶滅しなかったのは、味が激マズだったから!?【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】


太古の昔から変わらないままの魚
6500万年前に絶滅したと考えられていたシーラカンス。しかし1938年、南アフリカの漁船に山積みにされた魚の中から、とある学芸員に発見されたことがきっかけで、絶滅していないことが判明しました。しかも、驚くべきはその姿が3億5000万年前とまったく変わらないままだったということです。そのため「生きた化石」とも呼ばれ、平均寿命が60~100年ほどであったり、卵を5年間も胎内で育てたりなど、現代のほかの魚では考えられないような独特の生態を持つ、未だ謎の多い魚なのです。
そんなシーラカンスが絶滅しなかった理由として考えられることは2つ。ひとつは水深150~750mの深海に生息しているため、隕石によって恐竜が絶滅したときにも、環境の変化を受けにくかったという説です。
そしてもうひとつは、その味がとんでもなくマズいからという理由。実際に食べたことのある魚類学者の末広恭雄博士によれば「水につけた歯ブラシみたい」なのだとか。水っぽくて味がなく、パサパサとした身、小骨も多くて食べづらいという、まったく食べることに向かない魚だということなのです。
幸か不幸かマズかったために天敵がなく、太古の昔から進化を遂げる必要もなく、そのまま生き延びてきた稀有な魚だといえます。
“生きた化石”シーラカンスのすごい生態

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん
食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。
魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。
「最古の魚は5億年前! 魚類の誕生と進化」「魚は何を食べる?」
「カニみそは脳みそではなく、肝臓や膵臓にあたる部位」
「シーラカンスが絶滅しなかったのは、味が激マズだったから!?」
「クジラ界にも「ヒット曲」があり、世界中の海で流行る」などなど
そんな魚のあらゆる疑問や意外な生態、誰かに教えたくなる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。
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