人口当たりの焼肉店数が北海道一の街とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話】

定番は「牛サガリ」と「豚ホルモン」

人口約10万9000人(2025年4月時点)の北見は、「人口当たりの焼き肉店数が北海道一の街」として知られています。なお、北見市の1万人あたりの焼肉店数は4.8軒で、全国ランキングでも長野県飯田市(5.26軒)、沖縄県石垣市(5.02軒)に次いで3位です(2021年、南信州畜産物ブランド推進協議会調べ)。

北見市に焼肉店が多い理由については諸説ありますが、かつて国鉄北見駅(現在のJR北見駅)の南側に家畜の処理場があり、安くて新鮮な肉が手に入りやすかったことが大きな要因と言われています。

北見に最初の焼肉店が誕生したのは昭和25年(1950)のことで、「力」という屋台だったと言われています。この屋台で、当時あまり食用とされることのなかったホルモンなどの内臓肉を提供したところ、国鉄職員や会社員の間で「おいしい」と評判になり、その後、市内に焼肉を提供する店が増えていきました。北見焼肉の定番メニューは、一般的に人気の高いカルビやロース、タンなどではなく、「牛サガリ(横隔膜の筋肉の一部)」と「豚ホルモン(主に大腸や小腸)」です

なお、北見市はタマネギの生産量も日本一で、北見焼肉にもタマネギが欠かせません。焼肉店ではタマネギを焼いて食べたり、生ダレ(加熱処理していない焼肉のつけダレ)に混ぜたりして、北見ならではの地産地消グルメを堪能できます。

北見市ってどんな街?

現在の北見市は、平成18年(2006)、北見市、端野町、常呂町、留辺蘂町が合併して誕生。北海道の市区町村の中でもっとも広い市です(全国ランキングでは4位)。

カーリングの街

北見市はカーリングの街としても有名。常呂地区には日本最大のカーリングホールがあり、北京オリンピックで銀メダルを獲得した「ロコ・ソラーレ」も、このホールを拠点としています。

タマネギの生産量日本一

北見市は国内最大のタマネギ生産地で、農林水産省の発表によると、令和4年(2022)の北見市のタマネギ出荷量は全国の約22%を占めました。

焼肉の街

北見市では毎年2月上旬に、屋外に七輪を並べ焼肉を楽しむ「北見厳寒の焼き肉まつり」を開催。会場では厳寒カラオケ大会や大抽選会なども行われます(参加には前売り入場券が必要)。

世界一のハッカの街だった

戦前の北見市は世界の生産量の7割を占める、世界一のハッカ生産地でした。しかし昭和30年代以降、合成ハッカの登場などによりハッカ産業は衰退。現在は、北見ハッカ記念館でその歴史を伝えています。

▼ハッカ生産地として隆盛した昭和初期の野付牛町(現在の北見市)市街。『野付牛町誌』(国立国会図書館蔵)より。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』監修:和田 哲

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』
監修:和田 哲


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