2019年に大量発生し北海道を襲った冬の風物詩「雪虫」の正体とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話】

冬の到来を告げる風物詩「雪虫」の正体とは?

夏が暑いと大量発生することも……

 北海道の秋の風物詩として知られる「雪虫」。白い綿のような毛に包まれた虫が群れになってゆらゆらと飛ぶ姿が見られると、その1週間~10日後には初雪が降ると言われています。

 雪虫の正体は「トドノネオオワタムシ」というアブラムシの一種。春から秋にトドマツの根などで単為生殖を繰り返して増殖し、秋になると羽を持った成虫が産卵のためヤチダモへ移動します。

 雪虫の羽は力が弱く、風の吹くままに浮遊する様子はまさに雪のようです。ヤチダモで産卵した成虫はすべて死にますが、卵は春までに成長し再びトドマツへ飛んで戻ります。しかし、その時は数が少ないため人々には意識されません。

 北海道では、度々雪虫の大量発生が話題になります。令和元年(2019)には、なんと平年の「10万倍」とも言われる雪虫が発生し、白い死骸が地面に数cmも積もった地域もありました。ただし、この時に大量発生したのは「トドノネオオワタムシ」ではなく、同じアブラムシ科の「ケヤキフシアブラムシ」でした。この虫が産卵するケヤキは北海道に自生していませんが、近年は都市部の街路樹として多く植えられています。大量発生の原因は、夏の猛暑により成長と繁殖が早まったためと考えられています。雪虫を吸い込むとぜんそくなどを引き起こす可能性もあるので、くれぐれも注意が必要です

「雪虫」の生態

YsPhoto/PIXTA

令和元年(2019)に大量発生した雪虫。この時に大量発生したのはケヤキフシアブラムシで、特に函館、札幌、苫小牧などでの被害が大きかった。

写遊 /PIXTA

「雪虫」ことトドノネオオワタムシの成虫。北海道や東北地方で、晩秋から初冬にかけて白い綿毛のようなものをまとって雪のように飛ぶ。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』監修:和田 哲

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