2025年には過去最遅の記録も 北海道に届く流氷はどこからやってくる?【眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話】

冬に流れ着く流氷はロシアからやってくる

「天敵」から「観光資源」になった流氷

 近年、地球温暖化の影響で流氷の量は減っています。かつては度々流氷が観測された釧路では、昭和62年(1987)以降、流氷接岸の記録はほとんどありません。また、令和7年(2025)の網走では、観測開始以来、もっとも遅い2月15日に「流氷初日」が発表されました。

 流氷は、海水が凍ってできると思っている人も多いかもしれませんが、塩分を多く含む海水は凍りにくいため流氷にはなりません。では、北海道の流氷はどこから来るのかというと、極東ロシアと中国の国境を流れるアムール川です。といっても流氷そのものがアムール川でできるわけではなく、川から流れ込む真水で塩分濃度が薄められた海水が、シベリアの冷たい季節風によりサハリン北東部で凍り始め、海流に乗って徐々に氷の厚さを増しながら北海道へとたどり着きます。

 オホーツク海沿岸は、地球上でもっとも低い緯度かつ日本で唯一、流氷が来る貴重な場所です。かつて漁師にとって天敵だった流氷は現在、オホーツク海沿岸都市の観光資源になっており、世界中から旅行客が訪れています。流氷の動向は地域経済に直結すると言っても過言ではありません。網走には「おーろら」、紋別には「ガリンコ号」という人気の観光砕氷船があり、どちらの市でも、「流氷まつり」が毎年恒例の一大イベントとなっています。

流氷ができるしくみ

流氷が海を豊かにする

流氷は観光資源となるだけではありません。流氷にはたくさんのプランクトンが付着しており、春になってプランクトンが増えると、それを餌とするプランクトンやそれを食べる小魚、さらにそれを食べる大きな魚も集まり、豊かな海を作っています。

①アムール川から淡水が流れ込み海面付近の海水の塩分濃度が薄まる。
②シベリアからの冷たい風が海面付近の塩分の少ない水を凍らせる。
③海氷が海流によって南に運ばれ、オホーツク海が流氷に覆われる。

紋別港に帰還する流氷観光船ガリンコ号。大きなドリルで流氷を砕きながら進むクルーズが人気。

ウトロ(斜里町)の流氷とキタキツネ。ウトロ周辺では流氷ウォークや流氷クルーズなどのアクティビティを楽しめる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』監修:和田 哲

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』
監修:和田 哲


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