100%儲かるはずが…現実は? マーチンゲール法の落とし穴【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

マーチンゲール法とは?

机上の計算では勝てるギャンブル!

マーチンゲール法とは、ギャンブルの話をするときによく出てくる言葉です。賭け事をする際に、理論上では必ず勝つことが可能な方法のことをいいます。

考え方は非常にシンプルです。ルーレットを例にしてみましょう。ディーラーが球をホイールにスローイングし、球がどの目に入るかを賭けるゲームです。その中で「カラー(赤黒)」というものがあります。入った目の色が赤か黒かに賭ける方法で、倍率は2倍です。1枚のチップを賭けて的中すると2枚のチップを受け取ることができます。最初のゲームでまず1枚チップを黒に賭けます。そのゲームで外れたら次のゲームでは倍の2枚のチップを黒に賭けます。

外れたら倍の4枚、さらに外れたら8枚と、賭けるチップの枚数を倍々にする方法です。1回でも当てることができれば、それまでの負け分は回収でき、さらに儲けも出るというしくみです。黒に連続して賭け続けていけばいずれ当たることもありますが、しかしいつ当たるかはわかりません。

競馬の場合にたとえてみましょう。馬連1番人気のオッズは多くの場合は2倍以上配当がつくので、一度的中するとリターンはルーレットより多くなります。

最初の1レース目に100円を馬連1番人気に賭けます。外れたら倍の200円を馬連1番人気に賭けます。それも外れたら3レース目には倍の400円です。過去のレース結果を調べてみても、馬連1番人気は100%出現しています。しかし1日に一度も馬連1番人気が絡まないケースも考えられます。1日の競馬は12レースのケースが多いのですが、連続して外れ続けたら金額はどれくらいになるでしょうか。12レース目の掛け金はなんと20万4800円になってしまうのです。

この時点で、それまでのマイナス分もあるので、約40万円負けていることになります。このまま続けていくと18レース目には1310万7200円と掛け金は1000万円を超えてしまいます。ただし馬連1番人気に1000万円を超えるような金額を投入すると、馬連1番人気の倍率にも影響を与え、2倍を切ることも十分に考えられます。つまり的中しても今までの負け分を回収することは不可能になってしまう計算です。

机上の計算では100%儲けることが可能になるマーチンゲール法ですが、現実には確実に儲けることは不可能なのです。

マーチンゲール法とは?

計算上では誰でも簡単にギャンブルに勝てそうな理論である「マーチンゲール法」も、現実的には100%勝てる方法ではないのです!

馬連1番人気を倍々ゲームで買い続ける

馬連1番人気を倍々ゲームで買い続ける

机上の計算では確実に儲かるしくみのように感じますが、実際には確実に100%儲けることは不可能なのです!

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』監修:小宮山 博仁

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』
監修:小宮山 博仁


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