答えが2つ? 四則演算の落とし穴と計算ルールの重要性【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

答えが2つ存在する計算?

計算の順序で答えが変わってしまう

10÷2×(2+3) という数式があります。答えはいくつになるでしょうか。

正解は25ですが1と問違えて答える人が少なからずいます。四則計算にはルールがあります。左から順に計算し、( )があればその部分を先に計算します。( )がなければ×(乗)や÷(除)を先に計算します。+(和)や-(差)は最後に計算します。

10÷2×(2+3) は( )の中を先に計算するので、10÷2×5となります。左から計算すればいいので、 10÷2で5、5×5で25が答えです。これを1つの式でかくと次のようになります。10÷2×(2+3)=5× (2 +3)=25 1という答えを出してしまった人は、2×(2+3) の部分を先に計算してしまい、2× (2+3) =10、10÷10として、1という答えにたどりついてしまったのです。

では100÷5aという式でa=5とするとどうなるでしょうか。

100÷5×5=20×5=100、この100は間違いです。

a=5なので、5aを先に計算して、5×5で25となります。100÷25で答えは4となります。
文字が入っていない数字だけの10÷2×(2+3)という計算は、「X」の記号を省略して、10÷2 (2+3) とは普通は表示しません。1という答えになってしまうことがあるからです。

文字が入っている10÷2 (x+3)という計算は、10÷2×(x+3)とはせず、2(x+3)を1つのかたまりと考え、先に計算します。

これに関して「算数は面白いこと」というサイトでも取り上げられていたのが10÷2×(2+3) の計算方法です。ひとつはこの計算で記号を省略しない方法です。

10÷2×(2+3) で、10÷2×5=5×5×25となります。

もうひとつは記号を省略した考え方です。

10÷2 (2+3) です。あえてこれを別な形で表示すると10÷2・ (2+3) となります。これは 2・ (2+3)が1つのかたまりと考えるので、10/2・ (2+3)となり、10÷(2×5)、10÷10=1となってしまいます。

このような誤解が生じるため、数字だけの式のときは、記号を省略しないようにします。

四則計算のルールでは( )=小括弧の他に{ }=中括弧、[ ]=大括弧があります。複数の括弧がある式は内側の小さい括弧から計算します。
このような誤解が発生するので、10÷2(2+3)という式を使うことを避けています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』監修:小宮山 博仁

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』
監修:小宮山 博仁


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