「キール」に「こうはん」? 船を構成する部位の名前、知ってる?【眠れなくなるほど面白い 図解 船の話】

船首・船尾・甲板…… 各部の名前を知っておこう

船体を形づくる! 基本の部位

船を理解するには、まず船体を形づくる基本部分を知っておく必要があります。これらの位置関係を把握するだけで、船の見え方がより立体的になるはずです。

船の前側にある先端部分は「船首」と呼ばれ、水を切って進むため細く伸びた形をしています。水の抵抗を抑え、まっすぐ進む力を高めるために工夫が凝らされた重要な場所です。反対に後ろ側の「船尾」にはプロペラや舵が備わり、推進と方向転換の中心を担っています。

床にあたる「甲板(デッキ)」は船内を上下に分ける役割を持ち、甲板の高さは客室や貨物倉、機関室の配置によって決まります。この甲板のうち、船首から船尾まで全通する最上部のものを「上甲板」と呼びます。また、上甲板の上に積み重なる建物のような部分は「上部構造」といい、操舵室やブリッジ、乗組員の生活区画が集められるのが一般的です。なお、甲板は通常「かんぱん」と呼ばれますが、専門家は「こうはん」と呼びます。

さらに、船体の最下部に位置する「船底」も重要です。水に触れる面積が大きく、船の浮力や安定性に直接関わります。その中央を貫くように取り付けられている「キール(竜骨)」は船体をまっすぐに保つ“背骨”として強度を支える役割を果たしています。

船の基本的な部位

船体の基本名称 

  • 船首:前側の先端部分。波を切って進む役割を持つ
  • 船尾:後ろ側の末端部分。プロペラと舵がある
  • 甲板:床にあたる水平に張られた板が船内を上下に区切る
  • 上甲板
  • 上部構造:甲板より上にある船室やブリッジなどの建物部分全体
  • 煙突
  • 排気管:エンジンの排気を外部に放出する
  • プロペラ:回転することで推進力を生む
  • プロペラシャフト:エンジンとプロペラをつなぐ棒
  • 機関室:推進力を生み出すエンジンを設置した部屋
  • 舵:左右に振ることで方向を変える装置
  • 船底:船体のもっとも下に位置する底の部分
  • キール(竜骨):船底の中央を貫き、船体をまっすぐに保つ背骨

船首は進む際の抵抗が小さくなる形に設計され、船尾には舵やプロペラなどがつきます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 船の話』監修:池田良穂

【監修者情報】
池田良穂(いけだ・よしほ)
1950年北海道生まれ。大阪府立大学大学院工学研究科博士後期課程船舶工学専攻修了。同大学工学部船舶工学
科助手、助教授を経て、同大学大学院海洋システム工学分野教授に就任。退職後、現在は大阪府立大学名誉教授、大阪公立大学客員教授。
船舶工学研究活動に従事し、著作活動では船舶工学・海洋工学等に関するテーマで70冊あまり執筆。主な著書に『図解 船の科学』(講談社)、『基礎から学ぶ海運と港湾』(海文堂出版)、『船の最新知識』(SBクリエイティブ)、『船舶算法と復原性』(共著、成山堂書店)、『船のしくみ パーフェクト事典』(ナツメ社)などがある。2023年日本船舶海洋工学会「船舶海洋技術賞」受賞。雑誌、新聞等への寄稿も多く、日本における船舶の理解と認知度の向上に貢献したとして、2025年に国土交通大臣から「交通文化賞」を受賞。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 船の話』
監修:池田良穂


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