チンドン屋も豆腐屋も大活躍! 昭和の街は音であふれていた【眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話】

うるさいけど耳なじみがいい音があふれた昭和の街

ざわめきが日常を彩った時代

昭和の街を思い出すとき、「音」が真っ先によみがえる人も多いのではないでしょうか。商店街を歩けばチンドン屋の鐘と太鼓が響きわたり、パチンコ店からは金属音まじりの爆音が飛び出してきました。現代のようにインターネットという情報ツールがなかったこの時代、人々の暮らしには音によるたくさんの情報があふれていました

移動式の宣伝車がスピーカーでセールを呼びかけ、竿竹屋や豆腐屋なども拡声器やラッパで自らの存在を知らせていました。多少うるさくても苦情が出ることはまれで、「音を立ててこそ商売になる」という空気が街全体に浸透していたのです。

当時は、有線放送や自治会放送が日常の一部でした。夕方には子どもに帰宅を促す呼びかける声のほか、都市部では光化学スモッグ注意報が告げられていました。アナウンスが鳴ると、地域全体がその情報に耳を傾ける―そんな一体感が、音によって生まれていたのです。こうした放送は、今も一部の地域で続けられています。

今でこそ「騒音」として嫌われがちな街の音も、昭和の人々にとっては生活と結びついたごく当たり前のもの。さまざまに響く音を通して、どこにいても人とのつながりや温かさを感じられました。

昭和の街に響いていた音

パチンコ店の騒音やチンドン屋の太鼓・笛の音、有線放送、豆腐屋のラッパの音など、昭和の街はさまざまな音であふれていました。

音で伝えるメディア文化

有線ラジオ放送

テレビがまだ普及していなかった時期には、ラジオが主要なメディアでした。

町内放送

町内に設置されたスピーカーから、気象情報や帰宅の呼びかけなどが伝えられました。

チンドン屋

太鼓や笛の音とともに練り歩き、企業宣伝や商店街イベントの広告を担いました。

行商

豆腐屋はラッパ、竿竹屋は拡声器で客に存在をアピールしました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』監修:町田 忍

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』
監修:町田 忍


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本書は実際に昭和を生きた方には懐かしさを感じさせ、平成以降に生まれた方たちには、今は想像もつかないような驚きのトピックを厳選して収録。

「病院でも映画館でも煙もくもく TPOなど関係ない喫煙事情」
「空前絶後のアイドルブーム 街中みんな同じ髪型」
「導入は平成から 消費税がなかった羨ましすぎる時代」
「テレビは叩けば治る 家電虐待思考」
「子どもには見せられないよ!ゆるすぎる放送基準」
「短足がバレるだけ 何のためにやるかわからない座高測定」
「速く回す、高く飛ぶが正義 スリリングすぎる遊具」
「感動をありがとう アジア初東京オリンピック1964」など

さまざまな世代を越えたコミュニケーションツールになる大人から子供まで楽しめる一冊です。

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