空のカーナビ「ND」って何?飛行中の現在地が一目でわかる理由【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

飛行中の位置を知る方法

ND(ナビゲーション・ディスプレー)のしくみ

飛行中の位置を知る方法は、飛行機の場合もカーナビと考え方は同じです。ジャイロと加速度計によって算出した自分の現在位置(緯度経度)の上に地図を重ねて、位置を客観的に見ることができます。膨大な航路図のデータをリアルタイムに処理できるコンピュータと、それを細かく表示できるブラウン管や、液晶画面が開発されたからこそ可能になったシステムです。

ND(ナビゲーション・ディスプレー)と呼ばれるものが、主に航法に関する情報をまとめて表示する装置です。飛行機のシンボルに対して、ウエイポイントと呼ぶ通過予定地点を結んだ通路が表示され、ひと目で今、自機がどこにいるのかわかります。

雷雲など、レーダーからの情報も表示されるので、どの方向に避けたらよいのかも一目瞭然です。

HSI(水平位置指示器)が自機を至近距離から見た計器であるのに対して、NDははるか上空から見ている計器です。そしてHSIと大きく違う点は、表示する地図の大きさを変えたり、パイロットの要求に応じてモードを変えたりすることができる点です。

カーナビに駐車場やガソリンスタンドの表示が可能であるのと同様、近くの無線援助施設を表示したり、その施設が発信している距離情報を自動的に受信して、自機の位置誤差を修正することもできるため、より正確な航法が可能となっています。

またGPSも搭載しているので、航法装置が算出した自機の位置と、GPSから得た位置を常に比較できるので、無線援助施設が受信できない洋上飛行でも、正確な航法が可能となっています。

どうやって位置を知ることができるのか

どうやって位置を知ることができるのか

PFD (Primary light Display)*下図
 飛行するために主に必要な速度、姿勢、高度などを指示をする画面
ND (Navigation Display)*下図
 主に航法にかかわる情報を総合的に表示する画面
EICAS(Engine Indication and Crew Alerting System)
 エンジンの状態を表示するだけではなく異常が発生したときにパイロットに知らせるシステム
MFD(Multi Function Display)
 多機能表示画面

どうやって位置を知ることができるのか

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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