降下→着陸の流れがわかる!飛行機が安全に到着する仕組みとは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

降下開始そして着陸

着陸には力が必要

飛行計画を立てる時は、巡航中をいかに効率よく飛ぶか、いいかえれば、どのような高度をどのくらいの速度で巡航したらいいか、巡航方式が綿密に検討されます。

なぜならば、巡航方式によって消費する燃料の量が大きく違ってくるからです。特に国際線のような長距離の場合はなおさらです。

例えば11時間の飛行で、離陸、上昇、降下、着陸に要する時間は、合計1時間程度。残りの10時間 はほとんど巡航 が占めています。この10時 間の巡航中に消費する燃料は、ドラム缶にして約600本と仮定すると、もし1%でも効率よく巡航できれば、ドラム缶6本もの燃料が節約できる勘定になります。もちろん短距離の場合でも、数多くの飛行を考えれば、「ちりも積もれば山となる」たとえの通り、重要です。

さて、いよいよ目的地に近づき、長い巡航も終わり降下開始です。降下を開始する前には、エンジンの音が急に静かになることからもわかるように、降下中に使用される推力は最小の推力、つまりアイドルです。

そして着陸する時の速度は、飛行機の重さを支える揚力が得られる速度ですので、その大きさは着陸する時の重さによって違います。一般的なジェット旅客機の場合は、時速約300㎞前後です。また使用される推力は、フラップや脚が出ると空気の抵抗である抗力が大きくなるので、降下の時と違ってアイドルではありません。着陸寸前まで、離陸推力の70%前後の力を出しています。また、着陸する時は追い風では不利になります。 したがって離陸の時と同様に、向い風を受けての着陸となります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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