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完全栄養食の卵に含まれる栄養素とは!?【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】

Text:工藤紀子

完全栄養食!エッグい栄養ある卵

エッグのエッグい栄養って?

卵にはさまざまな栄養素がバランスよく含まれていて、まさに完全栄養食というべき素晴らしい食べ物です。卵はたんばく質が豊富で、自分の体の中で作り出すことができない必須アミノ酸9種類がバランスよく含まれています。牛乳同様アミノ酸スコア100の完全栄養食です。

ちなみに、必須アミノ酸の中のトレオニンは脂肪肝を予防し、メチオニンはアルコール代謝を助けてくれるので、大人のお酒のおつまみにも卵は最適といえます。

卵は、有精卵であれば温めるとヒヨコになるわけですから、1羽のヒヨコが育つほどの栄養が含まれているということです。脳や神経の構成に必要なコリンやリン脂質、骨をつくるためのカルシウムやリン、エネルギー代謝に必要なビタミンBなども含まれています。その他、成長にかせない鉄・亜鉛・ビタミンD・Aもバランスよく含まれていることが、エッグい栄養、完全栄養食といわれるゆえんなのです。

どのくらいの量がとれるかというと、卵1個に含まれるたんぱく質は約6.4gと、学童期の子の1日の必要量の約13%に相当する量を含んでおり、貧血予防の鉄が約10%、味覚や皮膚、粘膜に重要な亜鉛も10%。視覚や皮膚、粘膜を健康に保ち、成長を促進するビタミンAが13%、カルシウムやリンの吸収を高め胃へのカルシウムの沈着を促進するビタミンDはなんと44%も摂れます。こんなに栄養がエグいのに、エネルギー量は1日の必要量のうちたったの4%弱というのもすごいところ。

1日あたりに食べる量の目安は、1~2歳なら2分の1個から1個、*¹⁸3歳以上なら1日1個程度。ほかの食べ物とのバランスを考えると、こちらが適量といえるでしょう。

じつは卵は完全栄養食なだけではなく、卵に含まれている「コリン」という成分によって記憶力や学習効果のアップに期待できるという側面もあります。詳しくは120ページで紹介します。

卵の色と栄養は関係ない

卵は殻の色、黄身の色がさまざまです。

卵の殻の色については、一般的に、スーパーで多く見かけるのが白い殻で、特に値段が高いブランド卵に茶色がかった殻の卵が多い印象から、なんとなく茶色い殻の卵のほうが栄養価が高そうとイメージされる方もいるかもしれません。しかし、殻の色は栄養価や食べたときの味には関係していません。

また、黄色に近いものからオレンジがかったものまで存在する黄身の色についても、栄養とは直接関係ありません。黄身の色は、鶏のエサに影響されます。

パプリカなどをエサとしている鶏の卵の黄身は濃厚な印象のオレンジ色になり、飼料用米を多く含んだエサを食べている鶏の卵の黄身は黄色に近づきます。後者は加熱すると白っぽくなるため、真っ白い卵料理や洋菓子などの需要を受けて開発されたそうです。ちなみに海外の卵の黄身は薄い黄色がほとんどです。

殻も黄身も濃いほうがよさそうに見えますが、栄養価に大きな差はないのです。

卵は完全栄養食!

食事摂取基準(1日)に占める卵1個分のエネルギー量と各栄養素量の比率

昔は「風邪にはたまご酒」!?

「風邪をひいたらたまご酒」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。たまご酒の歴史を調べてみたら、江戸時代に発行された料理書『料理物語』に載っているようです。400年以上も昔からあるということですよね。昔の人は、卵が栄養豊富であることを身をもって知っていたのでしょうか。体調が本調子でなく食欲もないときは、栄養価が高い卵とすぐにエネルギーになる糖質を含んだ米麹甘酒(アルコールを含まないもの)の組み合わせがよいのかもしれません。

*¹⁸上越市『一日の食品の目安(子ども~大人)』

【出典】『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』著:工藤紀子

【書誌情報】
『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』
著:工藤紀子

子どもに栄養バランスのよい食事をいっぱい作ってあげたい、子どもには元気にすくすくと育ってほしいなどの思いに応えるため、子どもの体・脳・健康と成長をサポートするための知識やアイデアを紹介しています。「小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事」では、楽に楽しく安全にをモットーに、身近でさほど効果でない食材で食事の悩みを解決していきましょう。

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