以前のNISAよりも非課税でたっぷり投資ができる
資産形成が可能となる商品が対象
金融庁では新NISAで扱う商品を「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」と定義しています。具体的には、積立投資枠で投資信託とETF(上場投資信託)が対象商品です。これは、旧NISAのつみたてNISAの対象製品と同じもので、金融庁が定める「販売手数料ゼロ」「信託期間20年以上」などの要件を満たしたものに限定されています。
一方、成長投資枠の対象商品は国内・国外株式や投資信託・ETF・REIT(不動産投資信託)などと、つみたて投資枠と比較して、対象商品の種類も商品数も多いのが特徴です。また、一般NISAから変更があり、先の定義に合わないものが除外となっています。たとえば、期間20年以上の運用を行うことができない「信託期間20年未満の銘柄」や上場廃止(取引所で売買が扱われなくなること)が決まった銘柄は、長期運用が前提にある新NISAの商品から除外されています。ほかにも、1か月ごとに収益を分配する「毎月分配型」の投資信託も、積立を行わずに収益を分配してしまうためにNISAの対象商品として扱われることはありません。
これら金融庁のガイドラインに沿ったものであっても、金融機関によっては取り扱っていない商品もあるので注意が必要です。
成長投資枠の対象は一般NISAと異なる
つみたて投資枠
・投資対象
投資信託/ETF
・メリット
少額からでも投資が可能、売買のタイミングを気にしなくていい
・デメリット
年間の非課税率投資枠が小さい、短期での成果は上げづらい
⇒長期での積立・分散投資を目的としているため、商品も低リスク・低リターンのものが多い。
【ONE POINT】
旧制度のつみたてNISAと同じもの。金融庁が定める以下の選定基準を
満たしたものが対象となっている。
①販売手数料ゼロ
②信託報酬が一定水準以下
③信託契約期間が20年以上 など
成長投資枠
・投資対象
国内・海外株式/投資信託
国内・海外ETF
REITなど
・メリット
投資できる商品の選択肢が広い、年間の非課税投資枠が大きい
・デメリット
投資の売買タイミングは自分で決める、リスクが多い商品もある
⇒目的はつみたて投資枠と同じだが、自由度が高め。国内・海外の株式なども取り扱う。
【ONE POINT】
資産形成の促進という目的に適さない、以下のような商品は除外される。
①整理・監理銘柄(上場廃止が決まった銘柄)
②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託 など
旧NISAからの変更点
「資産形成のための長期運用」というNISAの目的にそぐわないため、成長投資枠(旧一般投資枠)では、投資商品から「毎月分配型の投資信託」などが対象から外された。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 新NISAの話』著:伊藤亮太
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 新NISAの話』
著:伊藤亮太
2024年1月、日本の少額投資非課税制度「NISA」が新しくなり、簡単に使えるように改善されました。この変更により、投資を始める人が急増し、NISA口座はすでに170万口座が開設されています。しかし、「投資はリスクがある」と感じ、利用に慎重な人も多いです。「眠れなくなるほど面白い 図解 新NISAの話」では、新NISAの基本的な仕組みや利用方法、資産運用の重要ポイントについて、初心者にも分かりやすく解説しています。新NISAを始めることで資産運用に役立つ情報を提供し、読者の将来のための手助けを目指しており、新NISAに興味を持っている方に読んでいただきたいおすすめの一冊です。
公開日:2024.09.08