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「被害者にも非がある」?!性犯罪の被害者がさらに苦しめられる「セカンドレイプ」の具体的な例とは?【図解 犯罪心理学】

Text:監修:越智啓太

女性にも非があるという偏見から生まれる「セカンドレイプ」【図解 犯罪心理学】

今もはびこる「レイプ神話」

性犯罪の大きな問題のひとつに、「セカンドレイプ」(性的二次被害)があります。これは性犯罪の被害者が、警察の取り調べやマスコミの報道などによって性被害の苦痛を思い出したり、「被害を受けたのは被害者にも落ち度があったからだ」といった中傷を受けたりすることで、さらなる心理的・社会的ダメージを受けることを指します。

とくに「被害者にも非がある」という考え方は、性犯罪に対する誤った考えが少なからず社会に浸透していることに起因していると思われます。具体的には「露出の高い服装をしている女性は被害に遭っても仕方がない」「嫌ならもっと抵抗すればよかったのにしなかったのは、強姦されることを望んでいたからだ」「レイプ事件の中には、男性に恨みを晴らすためにねつ造したものが多い」といった考え方のことで、これらは「レイプ神話」と呼ばれます。こうした誤った信念があることも、被害者が性被害を訴えることをためらう要因のひとつです。

この「レイプ神話」については、ほとんどの人がその内容を否定すると思います。しかし、近年、世間を騒がせた性加害事件でも被害者への中傷が行われていたことを考えると、今もこうした考え方が社会から完全になくなったとは言えないのが現状です。

女性にも非があるという偏見から生まれる「セカンドレイプ」【図解 犯罪心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』
監修:越智啓太
監修者プロフィール
法政大学文学部心理学科教授。1965年、神奈川県横浜市生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻修了。警視庁科学捜査研究所研究員、東京家政大学文学部助教授、法政大学文学部准教授を経て2008年より現職。臨床心理士。専門は犯罪捜査への心理学の応用。著書に『犯罪捜査の心理学』(化学同人)、『ケースで学ぶ犯罪心理学』(北大路書房)ほか多数。

 昨今、様々な事件や特殊詐欺など凶悪な犯罪が増えており、ニュースで犯罪に関する情報を聞かない日はないといえます。誰もが利用するSNSを介した犯罪も当たり前になっており、より巧妙化しながら身近に潜む問題にもなっています。こうした問題や実態について研究し、犯罪予防や再犯防止に役立てようとするのが『犯罪心理学』です。
 犯罪心理学は、心理学の中でも実際の現場や実践に役立つことを目的とした“応用心理学”の1つで、特に犯罪行動・非行や犯罪者の心理・行動パターンに焦点を当てた研究分野です。専門書や教科書が多いジャンルですが、本書では図やイラストを用いて、1トピックを見開き1ページでわかりやすく解説。
“普通の人”が犯罪に手を出してしまう経緯、犯行内容から見える犯人像や周囲の環境、巧妙化する手口や防犯法など、知らなかった犯罪心理学を、楽しみながらもしっかりと学べる一冊です。

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