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来季こそ大ブレイク!?内外野を守れるユーティリティさと魅惑の長打力を持つ坂本勇人2世!増田陸/読売ジャイアンツ

Text:小林雄二

内外野を守れるユーティリティさと魅惑の長打力を持つ、楽しみな選手

⚫︎読売ジャイアンツ
増田陸

2018年の巨人ドラ2は「坂本2世」

プロ入りからもう5年目か…という印象だ。本当であれば今季(2023年)、大ブレイクの期待もかけられた巨人のホープである。前回のブレイク候補でご紹介した濱将乃介(東海大甲府→中日)と同じく、大阪福島シニアの出身で当時のチームメートはほかに野村大樹(早実→ソフトバンク)、中川卓也(大阪桐蔭→早大→大阪ガス)とそうそうたる顔ぶれが揃う。

当然、この4人は当時のシニア世代では有名な若き四天王的存在で、そのうちの一人、濱は高校時代に思うような結果を出せず、独立リーグでの“下積み”を経てNPBの門をこじ開けたが、増田は小さい頃から憧れの存在だった坂本勇人(巨人)を光星学院時代に指導した金沢成奉監督率いる明秀学園日立(茨城)に進学して1年秋から遊撃のレギュラーに定着、主将として出場した3年春のセンバツでは大会前に左手を痛めながらも3試合で15打数5安打、打率.333打点と活躍。

柔らかさと長打力を兼ね備えた打撃、躍動的な守りと走塁で「坂本2世」の呼び声高く、2018年のドラフト2位という高評価で巨人に入団した経緯がある。おまけに背番号「61」は坂本が巨人入団時につけたもので、濱に比べると鳴り物入りでのNPBの舞台へと歩みを進めたのだ。

周りから見れば“なにしてんねん”って…

ただし、プロ入り後の増田は試練の連続だった。

ことのはじまりは、実は高校時代。前述した3年春のセンバツ出場後に病院で診察を受けると左手甲部分の疲労骨折が判明。5月には右肩痛も発症したため、この時期はバットもほとんど振ることなく回復を待ったことで状態は回復し、前述の通り「ドラ2」で巨人から指名を受けたわけだが、入団後の翌2019年1月の新人合同自主トレでバットを振ってみると激痛が増田を襲ったのだ。

その後は保存療法を進めていくも、同年5月中旬の3軍戦で守備についた際、今度は打球を捕った際に痛みが走り、結局手術しルーキーイヤーを棒に振る。

「ドラ2で入ってきて、期待されているなかでこういうことがあって…。周りから見れば“なにしてんねん”ってなる」(増田)。しかし「メソメソしていても一緒かなと思って。この年は体作り。みんなができないことをやって2年目で飛躍しようと」考えた増田は施術箇所のリハビリと並行して苦手な野菜も積極的に取り入れるなど身体の内面も“強化&浄化”すべく食事面の見直しもはかった。

まさかの育成降格から、プチブレイク

迎えた2年目のシーズンにはイースタンで48試合に出場、2本の本塁打を放つなど片鱗をみせたのだが、21年オフには育成契約に“降格”。多くのファンの脳裏に「?」マークがちらつくような処遇はメディアにもけっこう取り上げられたため、覚えておいでの方も多いのではないだろうか。

それでも、そもそものポテンシャルが、この増田は違う。翌22年のキャンプは3桁背番号での三軍スタートも2月15日には二軍に昇格、同19日には一気のまくりで一軍へ昇格。持ち前の打撃に加えて捕手以外の内野全ポジションを守れる器用さもあり、3月には早々と支配下に復帰すると、同年5月7日のヤクルト戦では高橋圭二からプロ初安打を記録。同15日の中日戦では柳裕也から左中間中段へプロ初本塁打を放つなど、一時は一塁のレギュラー格と言っていい働きぶりで同年69試合に出場して打率.250、5本塁打、16打点を記録。チャンスにも強く、得点圏打率は.300を誇った活躍は記憶に新しい。

“これでいよいよ覚醒か”と思われた今シーズンだったのだが春先の不調が響き、開幕を二軍で迎えると7月には左膝靱帯を損傷、約1カ月の離脱を強いられることに。結局、二軍でも打率.229、5本塁打とまさかの消化不良のシーズンとなってしまったのだ。

本当にこの選手は楽しみだな…と

志・気迫が普通に出てしまうのはまさに増田のストロングポイントのひとつ。ついでに言えば、内野全ポジションでは飽き足らなかったわけではないのだろうが、外野守備にも挑戦するなど貪欲な姿勢と、それにたる器用さも増田のウリである。

これまではケガに苦しんできたが、走攻守、ともに積極的でアグレッシブ。相手に向かう気迫を隠さないメンタリティも◎。増田が増田らしいプレーをすれば、巨人というチームそのものが変わるかも知れない…とすら思わせる人材である。

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