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おしっこがでにくくなるのは前立腺肥大のせい?膀胱の筋肉が薄くなるってどういうこと?【図解 老化の話】

Text:長岡功 野村義宏

おしっこが出る仕組み

膀胱は貯水槽、尿道は排水管といったらビックリしますか。おしっこは腎臓でつくられ、尿管を流れて膀胱に溜まり、尿道を通って体外に排泄されるからです。まさに貯水槽と排水管。日本人の場合、おしっこは膀胱に最大に400ccくらい溜められるようですが、ただし、200ccほど溜まると尿意を感じます。また、尿道は女性で約4cm、男性で約20cmです(下図)。

男性と女性の膀胱と尿道

おしっこを溜めて出しているのは、実際には膀胱ですが、おしっこの勢いは、膀胱の収縮弛緩(伸び縮み)と尿道の通過性(広がり)に支配されます(下図)。「おしっこが出にくくなった」との症状が出れば、これら2つの要素のいずれか、もしくは両方に原因があるわけです。

おしっこの出る仕組み

加齢にともない筋肉の袋である膀胱にも老化が起こってきます。固くなって伸縮が悪化すると、1回に溜められる量が減ります。膀胱はゴム袋みたいなものです。ゴム袋の弾力がなくなったり、そこそこおしっこが溜まらないと排尿に勢いが出ません。膀胱の筋肉が薄くなって押し出す力が落ちても、おしっこは出にくくなります。糖尿病や神経の病気からこうした変化が生じたりしますが、おしっこを我慢しすぎる癖のある人にも、同様な症状が見られます。

ところで、男性の場合、さらに弱点があります。膀胱のすぐ下に前立腺という精液の一部を産生している臓器があります。尿道はこの中を貫通しています。正確な原因は不明ですが、前立腺は、50歳を超えるころから膨らんで肥大という状態になっていくのですね(下図)。そして前立腺の肥大の圧迫で尿道が狭くなると、膀胱の出口も開きにくくなる。そこでおしっこの勢いも悪くなっていく、というわけです。また、肥大が大したことはなくても、前立腺全体が固くなっていれば、やっぱり尿道の開きが悪くなる、だから、おしっこの勢いも悪くなるというわけです。男性の場合、歳を取るとこんなハードルに出合う可能性が高い。自覚症状があれば恥ずかしがらずに泌尿器科の扉を開けましょう。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』監/長岡功 野村義宏

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 老化の話』
長岡 功 総監修/ 野村 義宏 監修

高齢化や平均寿命が伸びた社会では、「老化」は誰もが避けられない、しかし誰もが可能な限り抗いたいテーマ。その多くは人体の「老化現象」、またそれに伴う「諸症状」として、完全には克服できないまでも、原因やしくみを知ってうまく対応すれば、症状を「やわらげる」ことや、日常生活での「影響を少なくする」こと、また「目立たなくする」ことが可能である。本書では具体的に、老化にともなう病気・諸症状の原因に言及し、その対処・対策法を解説、紹介する。中高年以降の健康と美容の悩みを楽しく読めて、一気に解決する一冊です。

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