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部下をまとめる為にリーダーが意識すべきこととは!?【孫子の兵法】

Text:島崎晋

相手にまったくつけ入る隙を与えずに勝負を終わらせる

戦争の勝利は個人の勇気や能力に頼るのではなく、勢いを利用すべきである。ここでいう勢いとは、戦闘に突入する際の軍全体の勢いのことで、勝利を一気に呼びこむ切り札である。

戦略家は開戦にあたり、要地を襲うと見せかけるか、なんらかの利益をちらつかせることで敵軍を狙い定めた地点に誘い出すのを得意とする。そこは攻撃する側には好都合だが、防御側には不都合な地。これであれば勝てる可能性が高くなる。

もちろん、凡庸な指揮官にはそこまでの作戦は無理である。有能な指揮官にしてはじめてできることであって、彼らは大軍を指揮するにあたっても、小部隊を指揮するかのように整然と全軍を動かすことができる。

全軍を整然と動かすには指揮官と兵との間の平素からの信頼関係が不可欠となる。

「この指揮官の指揮に従っていれば決して敗れることはない、多大な恩賞に預かれるのは間違いない」と思わせることが必要だ。

こうして勢いづいた軍が敵軍をやすやすと撃破する様子はまるで石を卵にぶつけたようで、敵軍の将兵はなぜ敗れたのかわからないうちに戦死するか捕虜となるのである。

現代にたとえれば、リーダーは部下たちを適材適所、うまく使いこなしてチームを勢いづかせることが大切ということだ。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 孫子の兵法』
著者:島崎晋

新紀元前500年頃、孫武が勝負は運ではなく人為によるとし、その勝利の法則を理論化した兵法書。情報分析や見極め、行動の時機やリーダー論等、現代に通じるものとして今も人気が高い。「名言」を図解でわかりやすく紹介する。

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