ハマボウフウ セリ科
浜辺に生える代表的な薬味野菜
全国各地の砂浜海岸に生息するセリ科野草の一種。光沢があり硬そうな見た目をしているが、とくに若葉は柔らかく、生のままかじるとセリ科特有の青く爽やかな香りがある。このため古くから薬味として重宝され、栽培も行われている。春先、砂に埋れながら伸びてきた若葉を食用にする。白い葉柄が柔らかく、歯ごたえもよくて美味しい。各地で砂浜が減少していることから姿を見ることが少なくなっており、加えて知名度の高さゆえに乱獲され姿を消してしまうこともある。意外と身近な場所にも生えているが、節度を守った採取を心がけたい。
● 採れる場所:海辺
細かい鋸歯と光沢のある葉が特徴
成長しても草丈は20cm程度にしかならない。海岸植物らしくニスを塗ったような光沢と硬さがある。葉は楕円形の小葉で構成される三出複葉。葉柄は地下部が白く、地上部は赤い。初夏になると火花を散らしたような可憐な白い花をつける。
【出典】『野草・山菜・きのこ図鑑』著:茸本 朗
【書誌情報】
『野草・山菜・きのこ図鑑』
著:茸本朗
本書は、野草好きのYouTuberである著者が「食べたい草」に焦点を当てた異色の山菜図鑑。学者ではない著者が、自分の実体験に基づき、美味しい野草だけを厳選して紹介しています。ありふれた山菜図鑑とは一線を画し、実際に採取しやすく、利用価値の高い草を紹介する実用書として完成。野草採取の初心者にとってもわかりやすい内容で、自然と触れ合い、食べる楽しさを伝える一冊です。
公開日:2024.10.17