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人種の違いで目の色や髪型に相違が出るのはどうしてなのか?【人体の不思議】

Text:西野精治

メラニン色素と人類の進化による環境の変化

ヒトの肌や毛髪、瞳の色の違いは「メラニン(色素)」によって決まり、この色素を多く含む順に、毛髪の色は黒・金(ブロンド)・白髪となり、肌の色も黒・黄・白となります。

メラニン色素の量が人種によって違うのは紫外線が関係しているといわれています。日射量の多い地域や日照時間の長い地域では、太陽光に含まれる有害な紫外線から肌や髪・目を守るためにメラニン色素が大量につくられます。

日に焼けた後、何日かすると肌が黒くなりますが、これはメラニン色素が増えた証拠で、紫外線から一時的に細胞を守る反応でもあります。

また、私たちがふだん人の〝瞳の色〟として認識しているのは、「瞳孔(黒目)」のまわりにある「虹彩」の部分です。この虹彩の色を決めているのもメラニン色素です。

メラニン色素が多いと光の波長が吸収されて虹彩の色は濃くなり、瞳は黒や茶に見えます。反対に日射量の少ないヨーロッパでは、メラニン色素が少ないため光の波長が吸収されずに反射して、ブルーやグリーンのような明るい色になります。

瞳の色が薄いと光を通しやすく、眩まぶしさを感じやすくなります。欧米人がよくサングラスをかけているのは、単なるファッションではなく、メラニン色素が少なく光に敏感なためでもあります。

肌や髪、瞳の色の違いは、基本的には人類の進化から生まれました。強烈な紫外線が降り注そそぐアフリカの人々は発がん作用の防御のためにメラニン色素を多く含む黒色の皮膚を手に入れ、日光照射量の少ない欧米ではメラニン色素の量を減らすなど、地域の環境に順応してきた歴史が長い年月でいろいろな人種を生んだのです。

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以上の方には「図解 人体の不思議」は大変おすすめな本です。

テレビやインターネットには健康に関するさまざまな情報があふれており、スマートフォンで専門的な知識ですら手軽に検索することが可能です。しかし、これらの健康に関する情報にはさまざまな内容が含まれており、その真偽を含めた有用性(どれが大事な情報か)を判断することが難しい状況があるように思われます。

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脳は重くてシワの数が多いほど頭がいいのか?

生物の体には不思議なポイントが沢山あります。そして特に最も神秘的なカラダの部位と言えば人間の脳です。まずは、人体の脳における不思議について解説しましょう。

動物と脳の関係を比較すると、一般に小動物ほど体重の割に脳が重く、逆に大型動物ほど軽いことがわかります。動物の脳と体重の間には、「脳の重量は体重の0.75乗に比例する」という規則性があり、これを「スケーリング」といいます。ただし、この動物界の普遍的な規則にあてはまらない動物がいます。それがヒトです。ヒトは、動物の中では例外的に大きな脳を持っているのです。

また、ヒトの場合、アインシュタインの脳が1230グラムと一般的な成人男性の脳(1350〜1500グラム)よりも小さかったことから、脳の大きさと頭のよさは関係ない、ともいわれます。しかし、カリフォルニア大学の「脳の大きさと知能指数(IQ)の関係」の研究では、わずかながら脳の大きな人ほどIQが高く、とくに「大脳皮質」の「前頭前野」と「後側頭葉」の皮質が厚い人のIQが高いという結果が発表されました。

天才は生まれつきではない、幼少期がポイント

ところが、さらに研究を進めると、皮質が厚くてもIQが高くない人がいることもわかりました。このことから「IQの高さは皮質の厚さより、脳が幼少期にどれだけ成長したかが重要」といわれてきました。この説を裏づけるように、IQが120以上の人の脳は、7〜9歳頃の幼少期にはむしろ平均よりも皮質が薄く、その後13歳まで肥大化し、厚みを増し続けていたとされ、幼少期の教育熱は高まりそうです。

しかし、一方でIQはあらゆる知能を網羅した数値ではなく、万能性がないことも把握する必要がありそうです。昔からよく「脳みそのシワが多いほど頭がいい」といわれます。しかし、脳のシワは胎児のときに大脳が形成される過程でつくられ、生まれたときにはすでにできあがっているため、成長してどんなに勉強してもシワの数は増えないそうです。

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【書誌情報】
『図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志

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