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メンタルと呼吸の変化で開幕21戦連続無失点。千葉ロッテマリーンズ快速右腕、西村天裕の飛躍【ラブすぽ独占インタビュー】

Text:花田雪

開幕直前にトレードで加入した男が、今やチームにはなくてはならない存在になっている。西村天裕――。今季はリリーバーとして開幕から「21試合連続無失点」の球団タイ記録を樹立。6月時点で早くも昨季の登板数を上回るなど、キャリアハイを記録する勢いだ。新天地で飛躍を見せる快速右腕はなぜ、覚醒したのか――。その理由を本人に聞いた。

メンタルと呼吸を意識し
ピッチングに変化

――今季は開幕から無失点記録が続き、球団タイ記録も樹立しました(※6月10日広島戦で連続無失点試合が21でストップ)。率直に、「点を取られていない期間」はどんな気持ちでしたか?

西村 今までこんな経験したことないんで、毎日怖かったですよ(笑)。でも、記録自体はそこまで意識していなくて、自分のピッチングができればそれでいい。ただ、どうしても周りに言われたりするので……。

――移籍1年目からキャリアハイを狙える好投を続けています。その要因は?

西村 去年までは「良いときは良い、悪いときは悪い」という感じだったんですけど、今年はその「真ん中」あたりをうまくキープできている感覚です。もちろん悪いときもありますけど、悪いなりのピッチングができるようになったのも大きいですね。

――昨年から今年にかけて、なにか自分の中で変えたことはあったのでしょうか。

西村 メンタル面ですね。特に、考え方の部分です。昨年末あたりからそこを重点的にやってきました。

――具体的に教えてください。

西村 大学の同級生に脳科学の勉強をしている人がいて、その人のもとで色々と調べてもらっています。僕の脳の使い方や考え方のクセまで全部が出るんですけど、そうやって調べていくと、僕の脳はいわゆるルーティンを作るとなにかを継続できる傾向にあるらしいんです。そこで今季からは「呼吸」をルーティンに入れて、つねに落ち着くこと、冷静でいることを心がけるようにしています。

――メンタル面に加えて「呼吸」ですか?

西村 はい。たとえば試合中であればブルペンの時点で呼吸を意識します。集中力や緊張感が高まっていくタイミングで、自分の中で良いイメージ……たとえば三振を取ったときや3人で簡単に抑えたときのことを意識しながら呼吸をして、自分自身を良い状態まで持っていく感覚ですね。

――メンタルや呼吸を意識することでパフォーマンスが良くなった時間はある?

西村 だいぶありますね。今まではピンチの場面では肩で息をしていたりして、どうしても動揺することもあったんですけど、呼吸を意識してからは冷静になることができるというか。日本ハム時代に宮西(尚生)さんが「もうひとりの自分が後ろから見ている感覚」と言っていたんですけど、それが少し分かった気がします。

阪神・青柳のアドバイスで
ストレートの考え方が変わった

――技術的な部分での変化はありますか?

西村 大学の同級生でもある青柳(晃洋/阪神)と自主トレを一緒にやったんですけど、フォームについて「足を着いてからキャッチャーミットより先を終着点だと思って投げたらいいんじゃない?」という話をしてもらいました。そこを意識することで、球速自体はそこまで出ていないんですけど、これまでよりも真っすぐで差し込める感覚は生まれた気がします。

――球速自体は去年より遅くても、抑えられている感覚がある?

西村 ありますね。実際に回転数のデータを見ても去年より上がっていたりもしますし。今はスピードを出すことよりも「球速以上に速く見えてほしい」という感じですね。

――チームは今季、優勝争いを展開しています。シーズンはまだ長いですが、どんな投球でマリーンズに貢献したいですか。

西村 任されたところはしっかりと抑える。流れが良いときも悪いときもあるんですけど、良いときはその流れを切らずに次につなげる。悪いときは流れを変えるようなピッチングをしたいです。

――今季からマリーンズの一員となりましたが、熱狂的な「ファン」の存在はどう感じていますか?

西村 僕はコロナ禍前からプロでプレーしているので、マリーンズの「熱狂的」な応援はすごく印象に残っています。味方になって感じるのは、すごく温かい声援を送ってもらっているのと、一体感ですね。改めて、心強いなと感じています。

――最後に、チームとして、個人としての目標を聞かせてください。

西村 チームとしてはもちろん、「優勝」だけです。個人としては50試合以上投げて、その「優勝」に貢献したいと思います。

――ありがとうございました!

収録:2023年6月7日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ

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